『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』:腰砕けのドラマにガッカリ
こちらの期待が大きすぎたのかどうか、残念ながらガッカリでした。
80歳の肉体で生まれて、徐々に若返るベンジャミンの人生を通して、描こうとしたものを掴み切れませんでした。
前半は、かなりよく出来ているなぁと思いましたが、ところどころカットバックされる、臨終のケイト・ウィンスレットに興が殺がれました。
確かに、心は子どもでも肉体は老人のベンジャミンに興味津々で、タグボードに乗って、初体験を迎えるあたりは、かなりの面白さです。
その後、ロシアに行き着き、ティルダ・スウィントンの中年人妻と深い仲になる件(くだり)は、ジョン・アービングの『未亡人の一年』(映画化『ドア・イン・ザ・フロア』)を思い出すような官能ぶり。
(とはいえ、官能描写はありませんが)
なので、興味は後半の、歳を経ていくケイト・ブランシェットと歳を経るごとに若返っていくブラッド・ピットの愛の葛藤の物語になるのかしらンと思っていましたが、堪忍なところでドラマを放棄した脚本にあんぐりでした。
よくよく考えれば、二人に間に子どもをもうけた時には、女性は40代半ば、ベンジャミンは50代になったところ(しかしながら、見た目は20代前半)。
つまり、見た目からいえば、ひと回り以上若くみえる男性な訳。
ここでの葛藤は、
・もうそれほど若くない二人にもうけた子どもの行く末 とともに
・どんどんと見た目の歳が離れていく男女の行く末 に対する恐ろしさ
なのだが、あっさりと、ベンジャミンが出て行ってしまう。
ここいらあたりのドラマの無さが、観ていて、「なんだかなぁ」と思ってしまう。
その上、少年の姿となったベンジャミンが痴呆というのも、ドラマ回避でガッカリです。
老成した精神と若く幼い肉体、そして、年老いた女性への愛情、という葛藤のドラマを期待していたのに、あっさりと裏切ってしまうような物語には、憮然としてしまいました。
凝った画面作りは評価出来ますが、全体的には前半★4つ、後半★2つので、総合★3つとしておきます。
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この記事へのコメント
>後半★2つで、総合★3つ
りゃんひさサン、ずいぶん点が辛いですね~!
子どもが無事に生まれたあと、二人が今後(この年齢のすれ違いを)どうするのかな?と思っていたら
>ベンジャミンが出て行ってしまう。
のは意外でしたし、
>その上、少年の姿となったベンジャミンが痴呆
それもまた予測出来ない展開だったので、
私にとっては(良い意味の)想定外で、
愛する家族の側にいることが出来ず、一人さすらうベンジャミンも、
身も心もボロボロになって戻ってくる子どものベンジャミンも、それは人生が終わる直前の
“悲しい、切ないお話し”として受け止めたので、私にはそれもアリでした。泣けたし~(TT)
>老成した精神と若く幼い肉体、そして、年老いた女性への愛情、という葛藤のドラマ
も見たかったですが、それをやってたら、映画が長くなりすぎて、他の部分を削ることになったのでは?
それよりも、この映画の ファンタジーなところが、とても気にいりました(^◇^*)
心優しいあなたにはピッタリな映画だったのですね。わたしは、デイヴィッド・フィンチャー監督なので、もう少しコッテリ感のあるドラマを期待していたもので・・・・・
りゃんひささんはイマイチのれなかったようですね~
私はスゴク好きでした!この映画。
大きな盛り上がりはありませんでしたが、胸に迫ってくるものがありました。上手く言葉では言えないのですが、、、
先日は本の方にコメント頂き、どうもありがとうございました!
たまに古典ミステリを読むと楽しいですね♪
始めから期待しすぎて(ハードルが高くなって)ガッカリすることが多くなる気がします。
今日も、キム・ギドクの「悲夢」を見に行ったのですが・・・
見なきゃよかった!(特に今回は見なくてもよかった)ガッカリでした。
だけど、上映してると思うと気になって、見に行かずにはいられない、このファン心理(^^;