『彼女の名はサビーヌ』:失われた5年の歳月と心のリハビリ

画像


フランス女優サンドリーヌ・ボネールの一歳下の妹サビーヌの物語である。
自閉症と疑われ、専門の病院に入院していた5年間でサビーヌは、以前の彼女と全く異なるひととなっていた。
その哀しみと失われたサビーヌを取り戻したいサンドリーヌの愛情に溢れたドキュメンタリーだった。

観る以前は、サンドリーヌが自閉症と疑われたサビーヌを取りためたホームムービーの集大成版ではなかろうか、などと思っていたのだが、そうではなかった。
専門の病院を退院してから後、グループホームで暮らすサビーヌの姿を中心として、入院前の自立(自立)していたサビーヌの姿が、時折挿入される。
その姿は、サンドリーヌが言うとおり、才能に溢れ、多感な若き女性である(多少エキセントリックではあるものの)。

快活に笑うサビーヌ、ピアノを弾くサビーヌ、初めてのアメリカ旅行に興奮するサビーヌ。

そんな彼女の病状が悪化する契機(きっかけ)は兄の死。
彼の死とともに、長兄長姉たちはそれぞれ自らの家族を持ち、サビーヌの許から図らずも去っていってしまう。
その不安が彼女の病状を悪化させてしまう。
過激化する自傷行為、不安から唯一近くにいる肉親である母親を攻撃してしまうサビーヌ。

サビーヌの病の原因は、脳に起因する自閉症ではなく、精神に起因する小児性精神病であり、おそらく、5年間の入院生活で誤った治療によりに、病状が悪化したと思しき。

グループホームで暮らすサビーヌの姿と、入院前の自立(自立)していたサビーヌの姿を交互に映し出すことで、サンドリーヌの想いが伝わってくる。
少なくとも、以前のサビーヌに戻って欲しいと。

画像


幾許(いくばく)かは自分を取り戻してはいるものの、以前とは異なるサビーヌが、かつての姿おの面影を表出させる姿が心を打つ。
ひとつは、ピアノを弾くサビーヌ。
指が覚えているのだろうか・・・
ひとつは、アメリカへ旅行した際のビデオを見て感慨にふけるサビーヌ。
あの時の興奮と楽しさと、自ら心に感じたことを思い出したのだろう・・・
心のリハビリといえるのではないでしょうか。

姉であるサンドリーヌ・ボネールの愛情が滲み出した素晴らしいドキュメンタリーではありますまいか。
★4つとしておきます。

↓Myムービーのレビュー&採点はコチラから↓
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id332203/rid2/p0/s0/c0/

↓DVDはコチラから↓


↓公式サイトはコチラから↓


↓予告編はコチラから↓


↓チラシ画像↓
映画『彼女の名はサビーヌ』

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

かばくん
2009年02月27日 12:07
気になっていたので観てきたんですが、私メにはちょっと判りづらいところもありましたな。
サビーヌの家族構成とか、現在の住環境とか、もそっと説明してくれた方が、観る側としてもスッとはいっていけるのではあるますまいか。
例えば、サビーヌは11人兄弟姉妹の八女だと知っていれば、大勢の家族に囲まれて育った彼女が、長じて母親と二人で暮らすようになった時の変化についていけなかった状況の理解に役立つとか、両親が彼女の障害に気づくのが遅くなったのなるほどと思えるとかですな。
2009年02月28日 01:25
かばくんさん、コメントありがとうございました。
>サビーヌの家族構成とか、現在の住環境とか、もそっと説明してくれた方が、
確かに、そうかもしれませんね。
とはいえ、実姉の立場からは「説明」よりも「想い」を伝えることに重きを置いたのではありますまいか。

この記事へのトラックバック