『私のマーロンとブランド』:中東情勢に翻弄されるもう若くない恋心@東京国際映画祭プレイベント上映会

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昨年2008年度東京国際映画祭・アジアの視点部門で賞を得た映画です。
『私のマーロンとブランド』というタイトルから、往年の名優で若き日強烈なセックスアピールを有したマーロン・ブランドを思い出すひとは、どれぐらいいるのでしょうか。
多分、若いひとたちには『私のブラッドとピット』とか『私のジョニーとデップ』といった方が判りやすいかもしれません。
そんなことはさておき、映画のハナシ。

トルコ・イスタンブール在住の、もう若くもなく美しくもない舞台女優が、知り合い、束の間の恋に落ちた男性はイラク北部のクルド人。
同じイスラム国家でも、EUに加盟するかというほどのトルコと、サダム・フセイン独裁国家のイラクの、それもイラクから迫害を受けているクルド人とは、多分に考え方も生活習慣も、本人を取り巻く情勢もことごとく異なります。
映画は、短い恋の末に、生まれ故郷に帰った男性に、再び逢いたいと願って行動するイスタンブールの女性の物語です。

このように書くと堅苦しい映画のように思われるかもしれませんが、さにあらず。
バイタリティ溢れて行動する女性の姿に興味津々です。

彼が暮らすイラクには直接行けず(なにせ国境が封鎖されてますから)、隣国イランへ入ったものの、自由なイスタンブールとを大違い、髪は隠さなきゃいけないし、スカートで街中を歩いてもいけない。
イスラム国家でも女性の社会進出が目立つイランでも、宗教的儀礼はかなり厳しい。
また、乗ったバスは何処へ着くかも判らないようなありさま。

彼は彼で、国(というか、いま暮らしている街というか)を出ることが出来ず(許されずかもしれませんが)、彼女にビデオレターを届けるのが、出来うる限りの最善の策。

映画を製作したお国柄かもしれませんが、遣る瀬無くどうしようもない中で、右往左往する彼女の様子は、ハリウッド映画ならばハハハと笑えるかもしれませんが、この映画では、滑稽さもさりながら、国家という枠組みの中での遣る瀬無さが募りました。
「愛は国境を越える」とは、いえないあたりが、この映画の見所です。

なかなか逢えない彼の結末についても意外さなど、映画的な面白さも持ち合わせています。
機会があれば、ご覧になることをお薦めします。

評価は★4つとしておきます。

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