『クロエ』:官能とは対極の支配・被支配の映画 @ロードショウ・単館系

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フランス映画『恍惚』をハリウッド資本でカナダのアトム・エゴヤン監督がリメイク。

オリジナルでは、ファニー・アルダンとエマニュエル・ベアールという。何を考えているのかよく判らないふたりの女優が映画の魅力を高めていました。
リメイク版ではジュリアン・ムーアとアマンダ・セイフライド。
若干年齢も下がったこともあるのですが、ふたりは感情を表面に出す演技をするので、オリジナル版にあった妖しい魅力は乏しい出来栄えです。

ですが、その分、リメイク版の方が判りやすいかも。

若い女性に弱い大学教授のリーアム・ニーソン。
妻のジュリアン・ムーアは、夫が浮気をしている、それも若い女性の誘惑にホイホイとのってしまうのでは、なんて疑念に苛まれます。
ならば、いっそ若い女性に誘惑してもらおうじゃないかと、依頼した相手がアマンダ・セイフライド。

アマンダはジュリアンに、夫が誘惑に乗ってきたと事細かに報告します・・・

まあ冒頭に伏線が張られており、「娼婦は、客の望むように反応をする」云々というアマンダの独白があります。

すなわち、アマンダの報告は事実なのか、どうなのか・・・
アトム・エゴヤンの演出は、フラッシュバックなどルール立てて、よくみれば判るように描いています。

ここいらあたりはオリジナル版にあった、あやふやな境界線、という味わいはありません。

アマンダの狙いは、冒頭の独白の延長線上にきちんと据えられており、ジュリアンが支配していると思いきや、その実、アマンダが支配しているという関係。
終盤、そのアマンダがジュリアンを支配している関係を利用して、「愛」と錯覚させていきますが、基本的には、支配・被支配の関係なので、官能とは対極にあるといえるでしょう。

クライマックスはオリジナルになかった(と思うのですが)展開になっていきます。
その展開は『危険な情事』を思い出せます。
まさにハリウッドテイスト的な事件の決着ではありますまいか。

と、まあほとんど判りやすいつくりなのですが、一点判りにくいのが、アマンダの母の遺品である髪飾り。
ジュリアンとの出会いのキッカケとなり、アマンダがジュリアンに託す一品。
一度は受け取りを拒んだその品をラストでジュリアンが装けるあたり、その髪飾りが暗喩するところが判りづらいです。
アマンダとジュリアンの関係、基本は支配・被支配の関係ですが、官能的な愛情関係の代わりに、娘と母親の関係を暗示しているのかもしれません。

とすると、リーアム、ジュリアン、アマンダの関係は、父、母、娘間での擬似的背徳関係なのか・・・
まぁ、これは考えすぎでしょうけど。

評価としては★3つ半です。

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2011年映画鑑賞記録

 新作:2011年度作品
  外国映画11本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 1本)←カウントアップ
  日本映画 4本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 1本)

 旧作:2011年以前の作品
  外国映画22本(うち劇場 4本)
  日本映画 1本(うち劇場 0本)
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