『愛する人』:ロドリゴ・ガルシア監督の本領発揮作品 @名画座

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4度目の名画座キネカのお目当てはこの『愛する人』。
デビュー作『彼女を見ればわかること』で多層的なヒューマンドラマを紡いだロドリゴ・ガルシア監督が、「母と子」をテーマに久々本領発揮の一本です。

37年前に14歳で娘を産んだアネット・ベニング。
老いた母とのふたり暮らし。自身がいうように気難しい。

生まれてすぐに養女に出されたナオミ・ワッツ。
37歳にしてバリバリの女性弁護士。
しかしながら、ひとつっ処に定住をせず、家族を持つこともせず、自立第一に生きてきた。

互いに知らぬ同士の母と娘。
37年後に、泪の再会・・・・
と安直な展開にしないところがロドリゴ・ガルシア監督の真骨頂。

見知らぬ母と娘とは別に、不妊により養子を希望する若い黒人男女のエピソードが絡む。

20歳の未婚の黒人女性、生まれてくる子どもは養子に出そうという意思。
しかしながら、養子に出す先には、自分の眼に適った養親でなければ、ということで、件の若い黒人女性に問い質していく。
「男の子が欲しいのか」「神を信じるのか」などなど。
その中で、持てる母とと持たざる母との関係が浮かび上がってくる。

そして、この黒人女性がアネット・ベニングとナオミ・ワッツの互いに見知らぬふたりに絡んでくるのだが・・・・
ここからは書かない。

ロドリゴ・ガルシア監督の演出は、前半は丁寧にひとつずつエピソードを積み重ねていく。
その積み重ね方が実に巧い。
エピソードのひとつずつのお終いのセリフを、ほとんど疑問形のセリフで終わらせている。
回答をしないことで、心の中のわだかまりや複雑な想いが残っていく。

後半は、前半と比して倍以上のスピードで物語が展開する。
とはいえ混乱することなどない。
それも、映像で見せる演出で、極力セリフを排除して。
その映像の積み重ねが、前半の疑問形の回答となっているところがすごい。

そして衝撃の終盤・・・

評価は★5つです。

<追記>
同時上映は『ハーモニー 心をつなぐ歌』。母と子の映画2本立てです。

名画座キネカ大森での鑑賞作品レビューはコチラから

『ハーモニー 心をつなぐ歌』:韓国映画らしい味だなぁ @名画座
『クレアモントホテル』:題材はいいが出来上がりは散漫 @名画座
『海の沈黙』『白いリボン』:モノクロ、ドイツ、戦争の2本立て @名画座
『ミツバチのささやき』『エル・スール』:ビクトル・エリセ監督作品2本を再鑑賞 @名画座


最近観たミニシアター映画のレビューはコチラから
⇒『ハーモニー 心をつなぐ歌
⇒『終着駅 トルストイ最後の旅
⇒『クレアモントホテル
⇒『四川のうた
⇒『クロエ
⇒『ジュリエットからの手紙
⇒『隠された日記 母たち、娘たち
⇒『キッズ・オールライト
⇒『メアリー&マックス
⇒『100歳の少年と12通の手紙
⇒『メッセージ そして、愛が残る
⇒『悲しみもミルク
⇒『トゥルー・グリット
⇒『パリ20区、僕たちのクラス
⇒『英国王のスピーチ
⇒『ヤコブへの手紙
⇒『しあわせの雨傘
⇒『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人
⇒『人生万歳!』
⇒『クリスマス・ストーリー

↓DVDはコチラから↓


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2011年映画鑑賞記録

 新作:2011年度作品
  外国映画14本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 1本)←カウントアップ
  日本映画10本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 2本)

 旧作:2011年以前の作品
  外国映画26本(うち劇場 5本)
  日本映画 2本(うち劇場 0本)
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