『ハーフェズ ペルシャの詩』:イラン発恋愛映画 @レンタルDVD
アボルファズル・ジャリリ監督の『ハーフェズ ペルシャの詩』。
近所のレンタルショップではいつの間にか姿を消していて、残念。
通勤途中のショップで見つけてレンタルしました。
ジャリリ監督作品は結構見ているのですが、恋愛映画とは知らなかった・・・
ですが、この作品、とっても好きです。
コーランの暗誦者、それがハーフェズ。
限られた者にしか与えられない称号。
イスラムの戒律は厳しく、未婚の男女は、視線を交わすだけで、罪になる。
ハーフェズにとっては破戒。
しかし、チベットから帰国した指導者の娘に恋をしてしまった若きハーフェズ。
彼は、鏡の請願の行に出る。
本来、鏡の請願は、恋愛を成就させるためのものなのだが、彼はそれを己の恋愛心を忘れるためとして、行に出るのである。
7つの村を廻り、その村に住む処女に鏡を拭いてもらう。
その際、娘が出す願いは、どんなに困難なものであろうと、行者はやり遂げなければならない・・・
このような神話的な物語をジャリリ監督は、最小限のショットと紡いでいく。
研ぎ澄まされた映画といえよう。
その簡潔なショットの連続が、かえって物語の豊かさを醸し出していく。
6人の処女に鏡を拭いてもらったハーフェズ。
6人目は老婆。
村でたった一人の処女だというのだから仕方がない。
彼女の願いは、結婚すること。
ハーフェズとの結婚の儀、そして・・・
ユーモアがあるエピソードだ。
振り返れば、そこまでの道中、各エピソードにユーモアがある。
ジャリリ監督の作品としては珍しい。
そして7人目・・・
これまでジャリリ監督作品では、ぶった切ったような唐突なラストカットの映画が多かったが、この作品ではちがう。
心情をモノで巧みに表現し、なおかつ余韻と幸福感を残すエンディングです。
評価はずばり★5つです。
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2011年映画鑑賞記録
新作:2011年度作品
外国映画36本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 8本)
日本映画18本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 6本)
旧作:2011年以前の作品
外国映画41本(うち劇場 6本)←カウントアップ
日本映画 8本(うち劇場 0本)
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