『季節、めぐり それぞれの居場所』: 介護、最期、そして再生とつづく @ロードショウ・ミニシアター

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施設を運営する側、利用する側が一体となって、介護って特殊なことではないんだよ、と介護の現在を切り取った傑作ドキュメンタリー『ただいま それぞれの居場所』の続編です。
ある種、完結篇でもあり、ある種、出発篇でもある映画であります。

完結篇と書いたのは、前作が、介護の現在を切り取って、老いること、誰かと一緒に老いることはそれほど怖い不安なことじゃないんだよ、と優しく語りかけてくるような日常を綴ったものでしたが、本作品では前作に登場した利用者の一人がかなり若くして死んでしまうということが描かれているからです。

死んでしまう、と書きましたが、ただただ哀しいだけではないところが、この映画のよいところであります。
ネタバレになりますが、亡くなる男性の妻も、夫が亡くなった後、数ヶ月で白血病が見つかり、あっけなく、あっという間になくなってしまいます。
まるで、ドラマのようです。

ですが、哀しいばかりではないというのは、残された20歳過ぎの娘たち姉妹のことであります。
この姉妹、自分たちでも泣きぬれてしまうのかと思ったとのことですが、実は、意外にも、あっけらかんとして、かえって生きていく力を漲らせているのであります。

この両親の死からの再生がこの映画のテーマであります。

この両親の死が小さな死だとするならば、2011年に起こった東日本大震災は大きな死であります。

介護の現場では、この大きな死からも再生して、これまでと地続きである地道な共同生活である介護を目指そうとする姿も描かれています。

小さな死が題材の完結篇から、大きな死を迎えての出発篇。

まだまだ、つづくのあります。

それは「ひとは生きている限り、生活をしなければならないからです」。
これは、この映画に登場する介護組織・井戸端げんきの代表・伊藤英樹さんのことばです。

この後の姿も、映画で観たいと思います。
頼みますよ、大宮浩一監督、北里宇一郎現場ディレクター。

評価は★4つです。

前作『ただいま それぞれの居場所』のレビュー&DVDはこちらから
⇒『ただいま それぞれの居場所



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2012年映画鑑賞記録

 新作:2012年度作品
  外国映画 8本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)
  日本映画 7本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)←カウントアップ

 旧作:2012年以前の作品
  外国映画14本(うち劇場 0本)
  日本映画 4本(うち劇場 2本)
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