『私が、生きる肌』:幻惑、困惑、眩暈のアルモドバル版『めまい』 @ロードショウ・シネコン

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ペドロ・アルモドバル監督が19年ぶりにアントニオ・バンデラスと組んだ新作。
これは興味深いですね。
さて、映画・・・・

うーむ、結局、よく判らん。

妻をある理由から亡くした医者のアントニオ・バンデラス。
人工皮膚の生成に情熱を傾け、ある人物を元に妻の再生を試みる・・・

これだけならフツーのマッド・サイエンティスト映画。
ヘンテコリンでもなんでもない。

ところがこの映画、途中でネタバラシが入る。
この手法たるやヒッチコック監督の『めまい』と同様。
『めまい』も愛する女性を再生するハナシ。
あちらは女性を女性に・・・・
こちらは・・・・

このネタバラシのあたりからストーリーテリングが無茶苦茶になってきて、主軸がバンデラスなのか、娘なのか、それとも妻に仕立て上げられる人物なのか、焦点が定まらなくなってきています。
フツーならば、バンデラスの狂気にハナシが収斂していくところが、妻に仕立て上げられる人物にオチていき、それもアルモドバル的な哀しくも滑稽で、でもなぜか幸福感もある同性愛の物語として決着するのだから、むむむむむむむな出来栄えです。

娘を妻に仕立て上げる程度の狂気だったら判らなくもないのだけれど、そんな程度の狂気でないのだから、これは、うーむ、結局、よく判らん。

ですが、この映画、判らないけれど、ヒジョーに面白くて、グイグイと引っ張り込んでいく魅力もあり、流石はアルモドバル。

ハナシが破綻している点では★1つなんですが、いかがわしい映画の魅力も溢れているので、総合的には★3つとしておきます。

 



 

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2012年映画鑑賞記録

 新作:2012年度作品
  外国映画13本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 1本)←カウントアップ
  日本映画 8本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)

 旧作:2012年以前の作品
  外国映画19本(うち劇場 0本)
  日本映画 4本(うち劇場 2本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2012年06月04日 20:00
私も最初はバンデラス中心で観ていたので、途中からムムム・・だったのですが、これはどう考えても、妻に仕立て上げられる人物が主人公でなければおかしい話です。
それを前半はバンデラス側から描いているので変なのです。まあ、彼の方にも出生の秘密などいろいろあるので、それを描いていってバランス悪くなってしまったのか、そこのところはわかりません。もしかしたらわざとかも。
何にせよ、話の構成は変でも、妻に仕立て上げられる人物を中心に観るとよくわかります。
最後のオチも、長年好きだった人と結ばれる予感がする、ある種のハッピーエンドだしね。
まあ、あの監督らしい作品でした。


jyamutomaruko
2012年06月09日 13:20
見応えあり、アルモドバル美学全開の感じがしました。
ただ、オチは意外とまともなんじゃないでしょうか、冒頭のヨガのインストラクターのアドバイスがそのままラストに繋がっていました。
それでも主役が女性のほうであったのは、バンデラス中心の描写が凄すぎで、やはり驚愕!ではありましたが。。。
『トーク・トゥ・ハー』を鑑賞以来、アルモドバル監督作は絶対見逃せません、その大きな魅力は、私の中では音楽の使い方にもあります。
アルベルト・イグレシアスとのタッグは最強です。
2014年06月20日 00:02
はじめまして。

私も映画、特に洋画が大好きです。
拙ブログでも時おり映画の話題を
書いています。

本作、WOWOWで観ました。
最後が、
意表をつかれたといった感じでしたね。
(T-SITE、WOWOWにレビュー寄稿)

自分も観ている作品の貴記事の数々、
ぜひ拝読しに
時間を見つけてはお邪魔させて
いただこうかと思います。
よろしくお願いします。
2014年06月21日 11:42
小枝さん、コメントありがとうございます。
ふむふむ、小枝=ツィギーなのですね。
今後ともごひいきいただければ幸いです。

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