『ジェーン・エア』: 19世紀の女性の自立と純愛のふたつの側面 @ロードショウ・シネコン

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シャーロット・ブロンテの有名な小説の何度目か映画化です。
有名な小説ですが、読んだことはなかったので、こんなハナシだったのか・・・と、はじめて知りました。
原作を読み、先に映画化された作品を観ていた妻の言によると、今回のミア・ワシコウスカが一番原作のジェーンに近いとか。
さて、映画・・・

巻頭、英国荒野を彷徨するジェーンの姿から始まります。
暗く沈んだ色調で荒々しい野の様子を捉えた映像から、緊張が感じられます。
息絶え絶えで質素な館に辿りついたジェーンは、そこに暮らす若い牧師から、近在の農家の子供たちを教える職を得ます・・・

この巻頭のシーン、実は物語の中盤・クライマックスの後のシーンなのですが、そんなことは知らないりゃんひさは、ふーん、こういうハナシなのね、思って観進めました。
しばらくすると、ジェーンの幼少の時代に戻り、両親を失ったジェーンは義理の伯母のもとへ預けられて暮らします。
義理の伯母から邪険にされ、その存在さえ否定される暮らしぶりです。

この映画は(小説でもそうなのでしょうが)、19世紀における女性の自立と、純愛ロマンスのふたつの側面を持っています。

広いけれども何もなく荒涼とした英国荒野の生活に縛り付けられていた女性。
その女性が見出す真実の愛。

この両輪が、映画では、うまく噛みあっていないような印象を受けました。

監督は女性の側面に焦点をあてて、ミア・ワシコウスカから凛とした毅然とした演技を引き出しています。

ですが、脚本は、純愛ロマンスに焦点をあてた構成となっています。
巻頭のシーンは、見出した愛に裏切られ、すべてを失ったジェーンの姿であり、終幕は再び愛を見出すジェーンで終わるからです。

あまりにも凛としたジェーン、毅然としたジェーンの姿と、荒々しい荒野の印象が強く、ロマンスの部分がかなり薄まった印象を受けました。

とはいえ、久し振りに正攻法に取り組んだ文芸映画の味は堪能できましたので、評価は★3つ半としておきます。

 

 

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2012年映画鑑賞記録

 新作:2012年度作品
  外国映画14本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 1本)←カウントアップ
  日本映画 8本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)

 旧作:2012年以前の作品
  外国映画21本(うち劇場 0本)
  日本映画 4本(うち劇場 2本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2012年06月11日 12:04
この原作が書かれた19世紀は、まだ女性の解放も自由な自我も認められていなかった時代です。だからそれを実現したジェーン・エアの姿は、当時としては画期的であこがれであり、故に作品の人気を決定付けたと思います。
21世紀においてさえ、ジェーンのような女性はまれでしょう。
映画的には、そこいらへんがうまく描かれていないという印象ですね。でも、風景や屋敷の様子、登場人物など、雰囲気は抜群です。

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