『舟を編む』:『おくりびと』の再来のような静かな感動作 @ロードショウ・シネコン

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本屋大賞受賞作の『舟を編む』、原作は未読ですが映画には大満足でした。

現代に生きる言葉の海を渡っていく、という意味で名付けられた「大渡海(だいとかい)」という国語辞典。
その十何年にもわたる編集、その中心となった青年とそれに係わったひとびとの物語。

シンプルな物語です。

しかし、辞書をつくるというのは大変な作業なんですなぁ、とはじめて知りました。

(1) 言葉を集める、(2) 掲載する言葉を決める、(3) 言葉の解釈をつける。
ここまでは辞書の内容(というか、辞書の本質)にかかわる工程。

この後、印刷物としての辞書を形づくる工程が待っている。

特に(3)は難しい。

言葉を言葉で伝えなきゃならないのだから。
ただの言い換えではなく、言葉の本質をつかまえて、ずばっと言わなきゃダメなんだから。
それで、その言葉の本質が伝わらなきゃいけないんだから。

相手に伝える、伝わる、わかってもらう、というのは、とにかく難しい。

その難しいことの中心となった青年は、相手と話すことが苦手なのだから、なおさら難しい。
辞書づくりに係わりあったひとびとを通じて、青年は成長して、相手に自分の思いを伝え、相手のことを慮ることができるようになる。

<あるひとのことを思うと何も手につかず、毎日毎時間そのひとのことを思ってしまう状態>を、ひとこと「好きです」と伝える。
そして、結果、<成就して、天にも昇るような幸せな気持にな>った。

青年の辞書づくりとひとづくりを通じて、観客であるりゃんひさも、すこし成長したような気分にさせてくれました。

地味だけど滋味。
観終わったあとに、静かな感動が残る映画。
『おくりびと』の再来といっていいかもしれません。

評価は、★4つ半です。

 

 

 

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2013年映画鑑賞記録

 新作:2013年度作品
  外国映画 9本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 3本)
  日本映画 4本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)←カウントアップ

 旧作:2013年以前の作品
  外国映画26本(うち劇場 2本)
  日本映画 2本(うち劇場 0本)
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舟を編む

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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2013年06月16日 16:13
あまりヒットしなかったようですけど、好きな作品です。松田龍平の朴訥とした演技も嫌味がなく、地味だけれど、いい味出していたと思います。

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