『インサイド・ディープ・スロート』:アメリカ現代史を振り返る @DVD・レンタル

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1972年にアメリカで公開されて社会現象となったポルノ作品『ディープ・スロート』。
現在(2013年春)公開中の『ラブレース』は、主演女優リンダ・ラブレースの物語。
『ラブレース』を観る前の予習として、『ディープ・スロート』製作の内幕と、映画公開が引き起こしたムーヴメントを検証するドキュメンタリー映画がこの『インサイド・ディープ・スロート』。
渋谷のショップの陳列ではエロチック作品と並べられていましたが、非常に真面目なドキュメンタリーです。

まず『ディープ・スロート』とは、どんな映画なのかというと・・・
(日本でも数年経て公開されましたが、まだ、そのての映画を観る年齢に達していなかったので、手持ちのチラシやこの映画から窺い知れた範囲でいうと)

性的不満を訴える女性。
クリニックにいったところ、性的喜びをもたらす器官がノドの奥についていることが判明。
治療法はというと、男性器官をノドの奥に突っ込んで、件の器官を刺激すること。
クリニックの医師の治療により、性的喜びに目覚めた女性は、一般的な方法でも喜びを得ることができるようになった・・・

コントのような内容で、このドキュメンタリーに流用された断片から観ると、医師役ハリー・リームズの滑稽な演技からアッケラカンとした映画のようです。
また、リンダ・ラブレースも、エロチックという形容詞からはかなり遠い、フツーの女の子、といったところ。

映画のインタビューで監督のジェラルド・ダミアーニが答えているように、軽いコントのような感じです。
「若い映画作家が手っ取り早く映画を撮るひとつの手段としてポルノがあった」という発言からうかがえるのは、ベトナム戦争中のアメリカのムーブメントのひとつだった、ということです。

ですが、1972年当時は、アメリカでもは、ポルノ作品は特定の劇場で観るもの、それに女性の性的解放なんてまだ一般的には認めてられない時代。
なので、ノドであれなんであれ、女性の性的喜びを描いた元作品は、女性解放の運動の一翼を担うことになってしまいます。

とはいえ、ポルノはポルノ、堂々とした性表現であるがゆえに官憲の締め付けが強化されていき、スケープゴートとしてハリー・リームズが起訴されてしまいます。
ムーブメントは全米に広がっていくのですが、上映の権利はマフィアが握っており、上映による収益は監督や出演者には入ってきません。
彼らには、ただ毀誉褒貶、つまり、ほめられて持ち上げられたり、けなされておとしめられたり、といった騒動が続くだけ。

そして、ポルノは、性的表現の術ではなく、性的表現を消費する商品として拡散していくのでありました。

このドキュメンタリーは2004年に製作されており、その2年前にリンダ・ラブレースは自動車事故で他界しています。
他界しているからこそ作ることができたのでょう。

エピローグとして、次のようなエピソードが紹介されます。
リンダの遺された娘(成人しています)に『ディープ・スロート』のタイトルを冠せた10作目かなんだかの続編への出演オファーがありました。
彼女は出演を、当然断りました。

ムーブメント(騒動、祭)は過ぎてしまえば、なんだったのか、との虚しさが残ります。
是非は、ともかく。

評価は★4つとしておきます。

 



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2014年映画鑑賞記録

 新作:2014年度作品
  外国映画 7本(うちDVDなど 1本)
  日本映画 3本(うちDVDなど 0本)

 旧作:2014年以前の作品
  外国映画26本(うち劇場 2本)←カウントアップ
  日本映画 8本(うち劇場 1本)
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