『僕がジョンと呼ばれるまで』:さぁ、人間性を取り戻そう @ロードショウ・単館系
アメリカ・オハイオ州の高齢者介護施設が舞台のドキュメンタリー映画『僕がジョンと呼ばれるまで』、東京都写真美術館で鑑賞しました。
入居者のほとんどが認知症を患っており、日本で開発された「くもん式学習療法」による取組とそれによって変わっていく患者や家族や家族たちを紹介するものです。
登場するひとびとはほとんどアメリカ人なので全編英語ですが、製作は日本の仙台放送です。
「くもん式学習療法」は、極く簡単な計算や文章音読などを繰り返すことで、前頭葉を刺激して短期記憶を改善させようというものです。
極く簡単な計算とは、1+1、2+1、3+1・・・というようなものだったり、1から順番に数字が描かれたボードの上、これまた数字が書かれたコマを並べるといったものです。
えええ、こんなものがぁ? というのが率直な感想です。
ですが、この映画を観る限り、効果があることがわかります。
たぶん、個人差はあるのでしょう。
また、映画では特に効果のあったひとを中心に編集されているかもしれません。
しかし、それはそれとして、この映画から伝わってくるのは、学習療法の効果ではなく、認知症が改善することで患者のひとびとが取り戻す活き活きとした人間性です。
93歳のエブリンは、当初、介助士のジョンの名前も覚えられず、他の入院患者とも交わろうともせず、孫の顔さえ判らなかった。
それが、ジョンの名前を憶え、にこやかなに笑い、むかしのように編み物を始めます。
(タイトルの『僕がジョンと呼ばれるまで』は、ジョンの名前を憶えるところからきています)
また、かつては送迎車の運転手をしていたという80何歳かの女性。
彼女はさらにひどく、ベッドから出ることもせず、部屋を訪れた介助士に反応すらしない、という状態。
それが、むかしのことを懐かしく語り、姪甥と会話ができるようになります。
はじめのむっつりとした無表情から、にこやかに快活にしゃべるようすは別人のようです。
もうひとつ感じたことは、介助士のみんなが粘り強く優しい、ということです。
まあ、患者のいないところでは愚痴をいったりなんやかんやはあるのでしょう。
ですが、患者ひとりひとりに対しては、間違いを無理に正したり、無理強いをしたり、声を荒げたりということはありません。
つまり、患者ひとりひとりが将来の自分の姿であることに気づいているからでしょう。
もう中年になったりゃんひさとしては、老いること死ぬことを考えて生きる時期なのです。
ならば、活き活きとした人間性を保ったままで最期を迎えたいと思います。
評価は★3つ半としておきます。
<追記>
公式サイトは、こちらから。
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2014年映画鑑賞記録
新作:2014年度作品
外国映画 9本(うちDVDなど 1本)
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旧作:2014年以前の作品
外国映画36本(うち劇場 3本)
日本映画12本(うち劇場 3本)
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この記事へのコメント
介護施設の入居者と介助士の人間味溢れるふれあいには感動しました。