『ポエトリー アグネスの詩』:老女ミジャと少女アグネスがひとつになる @DVD・レンタル

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『オアシス』『シークレット・サンシャイン』のイ・チャンドン監督の2010年度作品『ポエトリー アグネスの詩』、DVDで鑑賞しました。
近所のショップにレンタルがなく、代官山へ出かけた際にレンタルしました。
この映画のロードショウを行った銀座テアトルシネマもいまは閉館し、歳月の経つのは早いなぁと感じています。
さて、映画。

韓国、山間部の町で孫息子ジョンウクと暮らすミジャ。
ジョンウクの母親は釜山へ出稼ぎに出ている。
近ごろのミジャは物忘れが多く、たまたま腕の治療に出かけた病院で、アルツハイマー症を発症しているのではないかと診断される。
同じ日、同じ町の町はずれでジョンウクの同級生の女生徒の自殺体が発見され、ミジャは泣き叫ぶ母親の姿を目撃してしまう・・・

病院からの帰り道、町の公民館で詩作教室の募集広告をみたミジャは、小学生のころに先生から将来詩人になるだろうと褒められたことを思い出し、詩作教室に通うことを決意する。

イ・チャンドン監督の作品は、いずれも登場人物のこころの揺らぎを丁寧に丁寧に積み重ねた表現をしますが、この映画もそうです。
ミジャのアルツハイマーに対する不安、少女の自殺事件に心を痛め、その自殺に孫息子が係わっていたことを知ったのちの狼狽。
同じく少女の自殺に係わった少年の親たちには償いをする気持ちなどなく、事件をなかったかのようにする態度に感じる憤り。
そして、少女の死に対する償いの気持ち。
それらがひしひしと伝わってきます。

償いをどうしても表したい。
誠意を表したい。

言葉ではいいい尽くせない想い・・・
アルツハイマー症で忘れゆく言葉の中から絞り出した想いが、最期の詩に結実をしていきます。
その詩は、ミジャのこころであり、亡くなった少女のここでもあります。

詩の読み手が、詩作教室の先生、ミジャ、少女と移っていく演出は、ミジャと少女がひとつになった結末を暗示しています。

139分の長尺ですが、一向に飽きることはありませんでした。

評価は★4つとします。

<追記>
前作『シークレット・サンシャイン』に続き、監督の宗教観(儒教とカトリックの両方)が色濃く出た映画であります。



↓イ・チャンドン監督作品DVD
    

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2014年映画鑑賞記録

 新作:2014年度作品
  外国映画 9本(うちDVDなど 1本)
  日本映画 6本(うちDVDなど 0本)

 旧作:2014年以前の作品
  外国映画38本(うち劇場 3本)←カウントアップ
  日本映画12本(うち劇場 3本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2014年05月06日 10:08
韓国映画は嫌いですが、この監督はさすがにうまい監督だと思います。この作品は、登場人物があまりギャアギャアとまくしたてない分だけ映像によってその心情を物語っているので、監督の技法が冴えわったているのでしょう。

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