『プリズナーズ』:練りに練った映画をご堪能あれ @ロードショウ・一般劇場
『灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作『プリズナーズ』、153分の長尺なので、つまらなかったらどうしようと思いつつ、早々に劇場に出かけました。
前作には及びませんが、これもなかなかの秀作・佳作。
二転三転する物語と、じっくり構えた演出が見ものでした。
さて、映画。
米国ペンシルヴェイニアの田舎町。
工務店を営むヒュー・ジャックマンは、部下のテレンス・ハワード一家と家族総出で感謝祭を祝っていた。
ところが、ちょっと目を離したすきに、それぞれの幼い娘ふたりが行方不明となってしまう。
いなくなる直前に、ふたりの娘は兄姉とともに、近所に停車していた大型車両にまとわりついて遊んでいたことから、その自動車を運転していた青年ポール・ダノが参考人として警察により逮捕される。
しかし、もとより青年に対して確たる証拠がないために、そうそうに青年は釈放される。
物的証拠はないものの、青年に対しての疑惑を強めたヒュー・ジャックマンは、こともあろうか、青年を監禁して、娘たちの居場所を聞き出そうとする・・・
と、娘を愛する父親が暴走していくだけの話かと思いきや、その後、捜査を担当している刑事ジェイク・ギレンホールを通して、次々と新たな事実が判ってくる。
逮捕された青年が精神未発達だったこと。
酔いどれの神父と、神父が暮らす家の地下から発見される半ばミイラ化した死体。
独り身でありながら近所のショッピングモールで子供服を買う怪しげな男。
過去に連続して起こった未解決の少年少女失踪事件。
それらひとつひとつが事件に関係しており、それらがすべてタイトルの「プリズナー(囚われたひと)」であることなど。
これがオリジナル脚本ということだから驚きです。
脚本家のアーロン・グジコウスキの名は覚えておくこととしましょう。
エンディングも近年稀にみるキマった描写で、この幕切れもいい。
演技陣は、熱演のヒュー・ジャックマンよりも、抑えた役どころのジェイク・ギレンホールがいい。
役柄は異なるが、同じクライムムーヴィの『ゾディアック』の風刺漫画家役を思い出しました。
その他、ヴィオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、メリッサ・レオと女優陣も一癖もふた癖もある面々。
いやぁ、真相にはビックリ、ホントわからなかったです。
練りに練った映画をご堪能あれ。
評価は★4つ半としておきます。
<追記>
脚本のアーロン・グジコウスキ、2012年にマーク・ウォールバーグ主演の『ハード・ラッシュ』の脚本を書いていますね。
落ち穂ひろいをしようかしらん。
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2014年映画鑑賞記録
新作:2014年度作品
外国映画15本(うちDVDなど 3本)←カウントアップ
日本映画 8本(うちDVDなど 0本)
旧作:2014年以前の作品
外国映画50本(うち劇場 3本)
日本映画14本(うち劇場 3本)
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