『さすらい』:愛にさすらう男の魂の映画 @DVD・レンタル

画像


フェデリコ・フェリーニ監督の『道』につづいて鑑賞したのは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。
イタリア映画界の三大巨匠といえば、ヴィスコンティ、フェリーニとアントニオーニか。
いや、ヴィットリオ・デ・シーカも、ロベルト・ロッセリーニも、ピエトロ・ジェルミも、セルジオ・レオーネもいるかぁ。
ダリオ・アルジェントは・・・入らないだろうなぁ。
で、三番目の椅子を争うアントニオーニ監督の1957年製作の日本初公開作品の『さすらい』をDVDで鑑賞しました。
さて、映画。

北イタリアの製糖工場で働くアルド(スティーヴ・コクラン)は、人妻イルマ(アリダ・ヴァリ)と暮らしている。
イルマの夫は7年もの間、オーストラリアに出稼ぎに行ったきりだからだ。
アルドは婚約者を捨て、イルマとの仲を選んだ。
そして、いまはイルマの間に娘もいる。
そんな中、イルマの夫がオーストラリアで亡くなったと報がイルマのもとへ届く。
ようやくイルマと正式に結婚できると喜んだアルドであったが、突然イルマから「もう愛していない・・・」と告げられる。
イルマに若い愛人が出来、翻意させられないと知ったアルドは娘を連れて、永年暮らした町を離れることにした・・・。

と、このあとは、娘を連れたアルドの放浪の旅が描かれます。
放浪の先々で女性と懇意になるのですが、イルマのことが忘れられず、ふんぎりが付けられず、結局は女のもとから半ば逃げるように去っていく繰り返し。

このうじうじ感というか、ぐじぐじ感というかは現代にも通じるところがあります。
それを強面(こわもて)の米国俳優スティーヴ・コクランが演じているところが興味深く、味わいを感じます。

ひと足先に娘をイルマのもとへ帰らせ、その後、数か月経って漸うアルドも踏ん切りをつけてイルマのもとへ戻るのですが、町は空港建設で騒然としており、もといた平和な町とは様相が異なる。
そんな中で、イルマは新しい夫との間に子供を生し、乳飲み子を抱えた彼女は心底しあわせそう。
この喧噪と安閑の対比、また、それがアルドの気持ちをどれほどかき乱したか。

映画は唐突といっていいほどショックな結末を迎えます。

ジャンニ・ディ・ヴェナンツォのカメラは、ハイキーで画面に陰影をつけ、風景を荒涼とみせます。
冬枯れの木立が寒々とし、遠くのほうは霞んでみえません。
この風景がすこぶる好いです。

ジョヴァンニ・フスコの音楽も、町のシーンでの陽気なムードの音楽と、アルドのさすらいのシーンでのセンチメンタルなピアノ曲と、トーンを変えて切なさを盛り上げます。

さすらう男の魂の映画としてヴィム・ヴェンダース監督の『パリ、テキサス』を思い出しました。

評価は★4つ半としておきます。

             

------------------
2014年映画鑑賞記録

 新作:2014年度作品
  外国映画15本(うちDVDなど 3本)
  日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

 旧作:2014年以前の作品
  外国映画53本(うち劇場 3本)←カウントアップ
  日本映画15本(うち劇場 3本)
------------------

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック