『処女の泉』:神と信仰をめぐっての寓意的傑作 @VHS・レンタル

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』『叫びとささやき』に続いて、ここひと月で3本目のイングマール・ベルイマン監督作品です。
鑑賞したのは196年製作の『処女の泉』です。
スウェーデンに伝わる民話なのか、かなり寓意的な物語です。

16世紀のスウェーデンの片田舎。
豪農の領主は妻とともに信仰に篤い人物です。
無辜なひとり娘は、両親に甘やかされており、信仰心欠けるところがありました。
豪農のうちには何人かの召使や下僕がおり、ひとりの召使女は幼い頃に豪農のもとに引き取られて娘とともに育ちましたが、いつしか嫉妬心が芽生え、復讐の神を信仰するようになっていました。
ある金曜日、豪農の家から離れた教会で執り行われるミサに蝋燭を捧げるため、娘は召使女と馬で出かけることになりました。
道中、先を急いだ娘は召使女を途中の小屋に残して、ひとりで森に入っていったところ、みすぼらしい山羊飼いの三兄弟と出くわしました。
娘は彼らのみすぼらしさを憐れと思い、一緒に食事をすることとしましたが、その優しさが仇となって、兄弟に辱められ殺され、身ぐるみを剥がされてしまいます。
娘の美しいドレスを携えた三兄弟は、山羊を追ううち、娘の両親の家に辿り着くのでありました・・・

こののち、映画は父親の復讐譚、そして、娘の亡骸の跡から泉が湧き出ると展開していくのですが、主題は神と信仰です。

恵みをもたしてくれる神に祈ったとしても、必ずも恵みばかりもたらすわけではありません。
そんな神を信じていいのかどうか。
娘を殺されたからといって、禁じられている復讐をおかしても赦されるものなのか。
娘の亡骸の跡から湧き出た泉は赦しなのか。
考えれば考えるほど、神はいないのではないか、と思えてしまう・・・

恵みをもたしてくれる神は恵みをもたらすものであって、災厄をもたらすものではない。
そういう土壌の信仰の物語。

原作・脚本はウルラ・イザクソン。
本作の2年前に出産を巡るドラマ『女はそれを待っている』でベルイマン監督と組んでいます。

スヴェン・ニクヴィストによるモノクロ画面の美しさ。
特に森の中での陽光溢れる明るさと木々が落とす影の黒さの対比が美しいです。
また復讐シーンも含めて暴力シーンも凄まじく、心から恐ろしくなります。

評価は★5つです。

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そのほかのベルイマン監督作品のレビュー
第七の封印
秋のソナタ
サラバンド
関連ドキュメンタリー
リヴ&イングマール ある愛の風景

              

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2014年映画鑑賞記録

 新作:2014年度作品
  外国映画12本(うちDVDなど 1本)
  日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

 旧作:2014年以前の作品
  外国映画47本(うち劇場 3本)←カウントアップ
  日本映画13本(うち劇場 3本)
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