『狼の時刻』:心の奥底に抱える恐怖や狂気が現われる @DVD・レンタル

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蛇の卵』に続いてイングマール・ベルイマン監督をDVDで鑑賞しました。
作品は1966年製作の『狼の時刻』。
リヴ・ウルマンがはじめてマックス・フォン・シドーと共演したと語っているところから、フィルモグラフィでは『仮面/ペルソナ』、本作、『』となります。
さて、映画。

画家ユーハン(マックス・フォン・シドー)と妊娠中の妻アルマは都会を離れて離島に移り住んだ。
ユーハンは不可解な失踪をしたままとなっており、アルマの口から失踪に至るまでの経緯が語られる・・・

人間の奥底にある恐怖・狂気が徐々に表に現われ、遂には・・・という物語です。

かなり著名な画家であるユーハンが妻を連れて離島に移住した理由は(前半は)明かされません。
ただの憂鬱ではなくもっと奥底にある何かに支配されているような雰囲気。

島には、ふたり以外には目立ったひとびとはおらず、ユーハンのスケッチから、みな奇妙で異様な雰囲気を持っていることが伝えられるのみ。
その後、大きな帽子を被った老婆がアルマの前に現われ、ユーハンの秘密が知りたければ、彼が隠している日記を読むようにと、不気味な助言をする。

一方、スケッチに出たユーハンは、島の城に住む男爵からアンナともども晩餐の招待を受ける。
男爵の城を訪れたユーハンとアンナは、男爵一族と晩餐をともにするが、彼らはみな一様に異様で邪悪な雰囲気を漂わせている・・・

後半になると、一気にホラー味が強くなっていきます。
トッド・ブラウニングが撮った『魔人ドラキュラ』と同じようなカットもあります。

ただし、このホラー、ただの悪魔や吸血鬼といったバケモノ映画でないところが、怖く恐ろしいです。

すなわち、
①ユーハンが心の奥底に抱えている何かは、過去、彼が犯した唾棄すべき事件に根ざしていること、
②そして、ユーハンがみる異様な出来事は、事実が幻影かのどちらともつかないこと。

①の唾棄すべき事件の演出は、陰影の深い他のシーンと区分するかのように、ハイキーでギラギラした画面づくりで、かつ、セリフもなく、耳障りともいえる音楽が流れ、かなりのインパクトです。

②は、妻アンナがはっきりと「あれは幻影だった」と語ること。
しかし、「永年ともに暮らした夫婦の外見が似てくるように、考え方も似てくる。彼がみた幻影をわたしと共有した」と語ります。
幻影が共有できるものなのか・・・
なら、事実かもしれない、と思わせる怖さです。

スヴェン・ニクヴィストの撮影も凄いです。

評価は★4つとしておきます。

そのほかのベルイマン監督作品のレビュー
サラバンド
秋のソナタ
蛇の卵
叫びとささやき

処女の泉
第七の封印

関連ドキュメンタリー
リヴ&イングマール ある愛の風景



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2014年映画鑑賞記録

新作:2014年度作品:41本
 外国映画26本(うちDVDなど 6本)
 日本映画15本(うちDVDなど 0本)

旧作:2014年以前の作品:93本
 外国映画72本(うち劇場 3本)←カウントアップ
 日本映画21本(うち劇場 3本)
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