『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』:明朗青春映画の枠をひとつ越えたホンモノ感 @DVD
コメディ得意(というかコメディしか興味がない?)の矢口史靖監督の『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』、DVDで鑑賞しました。
前作『ロボジー』は未見なので、2008年の『ハッピーフライト』以来ということになります。
さて、映画。
テキトーな高校生活を送った平野勇気(染谷将太)は大学受験に失敗。
浪人して大学を目指すほどのモチベーションもなく、ふと手にした林業後継者募集のパンフレット(の表紙の美女)に興味を惹かれ、研修生として三重県の山村で研修を受けることになった。
近くの町まで自動車で2時間という僻地、パンフレットの美女などおらず(いるにはいるが接点皆無)。
逃げ出したいのは山々だけど、気を逃してしまい、結局、勇気は実地研修を続けるはめになってしまう・・・
といったストーリー。
まぁ、ほとんど予想を裏切ることはないような展開。
なんだけれど、矢口監督のコメディ演出も堂に入ってきたのと、山村で撮ったカメラがいいので、ホンモノ感があります。
高い杉の大木の上での枝打ちや種採り、大木の伐採シーンなど林業に係わるシーンはもとより、まるっきり関係ないシーンまでホンモノ感があります。
前半、勇気が村に着いてすぐぐらいのシーンで、伊藤英明扮する飯田が、走る軽トラに向かって遠くから走って飛び乗るシーンがあります。
それを、軽トラの上に据えたカメラがワンシーンで撮る。
いやぁ、これにはビックリ。
全部ホントウにやってますから、と宣言しており、この映画の気概を感じました。
勇気少年の成長物語を支えるかのような音楽がいい。
アイルランド民謡調で、おっ、これはジョン・フォード風ではありますまいか、と感じました。
クライマックスに土着性が高い杣人の祭をもってくるあたり、やや喜劇味が強すぎる傾向はあるものの、好感が持てます。
また、小道具の使い方もうまく、「愛裸武勇」と書かれた手ぬぐいの使い方なんて、へへへ、ちょっとうるっと涙目になっちゃいました。
先ごろ観た『銀の匙 Silver Spoon』も同じような題材でしたが、明朗青春映画の枠をひとつ越えた出来栄えでした。
評価は(オマケも込みで)★4つとしておきます。
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2015年映画鑑賞記録
新作:2015年度作品:8本
外国映画 6本(うちDVDなど 0本)
日本映画 2本(うちDVDなど 0本)
旧作:2015年以前の作品:20本
外国映画14本(うち劇場 2本)
日本映画 6本(うち劇場 0本)←カウントアップ
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この記事へのコメント
この作品には旦那の同級生が村人としてエキストラで出演しています。「田舎くさい顔立ちだから丁度よかった」と旦那は言っていますが、そういう意味では旦那の方が適役だったのではと思っています。
旦那さんを大切にしてあげてくださいませ。
今後ともよろしくお願いいたします。