『ジャーロ』:ダリオ・アルジェント監督ですが、製作も脚本は手掛けてませんから @DVD・レンタル
ダリオ・アルジェント監督がエイドリアン・ブロディ、エマニュエル・セニエを主演に迎えて2009年に撮った『ジャーロ』。
『サスペリア・テルザ 最後の魔女』の次に撮った作品です。
最新作は昨年劇場公開された『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(これは未見)。
ところで、この作品って劇場公開したんだっけ?
手元にはチラシはあるんだけれど・・・
近所のレンタルショップからはいつのまにか姿を消していたので、人気がなかったんだろうなぁ・・・
なんてことを思いつつ、在庫のあるショップでレンタルしました。
さて、映画。
イタリア・トリノ。
若い外国人女性ばかりを狙った連続殺人が発生している。
フランス人ファッションモデルのセリーヌは、トリノを訪れたばかりの姉リンダ(エマニュエル・セニエ)との約束の時間に姿をみせない。
律儀な妹がこんなはずはない、と心配したリンダは連続殺人を扱うエンツォ警部(エイドリアン・ブロディ)に助けを求める。
失踪なのかどうか不審に思っていたエンツォであったが、リンダとセリーヌの行方を追ううちに「ジャーロ(黄色)」のことばとそれが指す容疑者を特定していく・・・
と、一応はサスペンス。
なんだけれど、あまり面白みがない。
予期せぬ犯人ということでもないし、トリックがどうのこうの、ということもない。
なので見どころなし、といいてもいいのだけれど、少しだけ見どころがあります。
エイドリアン・ブロディ扮するエンツォ警部に過去のトラウマがあります。
幼い時分に母親を目の前で殺され、長じてから(といっても、それほど年は経てないのですが)犯人も見つけて、滅多刺しにしてしまった経緯があります。
対する犯人も、幼い頃より病気のため「ジャーロ(黄色い顔」と揶揄されたトラウマがあり、長じてから殺人者に転じてしまったといいうもです。
これだけなら、あっそう、って感じなんですけど、犯人を(特殊メイクをしていますが)エイドリアン・ブロディを演じています。
で、エンディングの直前、犯人を捕らえたはいいが、犯人に誘拐された件のセリーヌの居場所を突き止められないまま去っていくエンツォ警部の顔を黄色いライトが照らします。
つまり、一瞬だけですが、犯人と警部が精神的に同じであることを示しているのです。
映画はここでフェードアウトして終わったようにみえます。
が、プロデューサー(エイドリアン・ブロディを含めて3人いる)が「うーむ、納得できない」として、この後にセリーヌ発見のエピソードを追加したように見えます。
まぁ、この最後のエピソードがなければ、それなりに、ダリオ・アルジェント監督らしいかな、とも思えるのですが、残念ながら不気味な余韻をぶち壊していました。
評価は★2つとしておきます。
<追記>
『戦場のピアニスト』で米国アカデミー賞最優秀男優賞を「最年少」で受賞したエイドリアン・ブロディ。
その後は『ヴィレッジ』『ジャケット』『プレデターズ』とB級ムーヴィに立て続けに主演している彼は、本作も含めて、よっぽどB級スリラーが好きなんでしょうなぁ。
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2015年映画鑑賞記録
新作:2015年度作品:16本
外国映画12本(うちDVDなど 0本)
日本映画 4本(うちDVDなど 0本)
旧作:2015年以前の作品:46本
外国映画35本(うち劇場10本)←カウントアップ
日本映画11本(うち劇場 3本)
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