『約束』:まだ純真だった青春の日に観たかったなぁ @VHS・レンタル
お盆前後に、自宅・劇場ととりまぜて日本映画の旧作を3本、鑑賞しました。
1本目は、斎藤耕一監督、岸恵子・萩原健一主演の1972年製作の『約束』。
今回が初鑑賞。
これまでに何度も名画座等で上映されており、その都度、観たいなぁと思いつつも逃していた作品です。
さて、映画。
日本海を北上する列車の四人掛け席。
息せき切った若い男(萩原健一)は、憂いを含んだ年上の女(岸恵子)の向かいの席に坐る。
女の隣には年嵩の女性。
押し黙ったままの女に、男は途中駅で買った弁当を食べないかと差し出す。
それを契機にして、男と女の距離は少し縮まっていく・・・
というハナシ。
このあと、女は、刑務官に付き添われて仮釈放中により先ごろ亡くなった母親の墓参りに出かけるものだとわかる。
また、男は、仲間とともに起こした傷害強盗で逃亡中だとわかる。
自由ならぬ身の男女の、束の間の心の高揚。
束の間だからこそ、その昂揚感、輝きは鮮烈で切ない。
そして・・・
「刑期を終えるまで、俺は待つ」と固く約束した男は、女に差し入れする衣服を買いに立ち寄った洋品店で、刑事(三國連太郎)に捕まってしまう。
出所した女は、男との約束の場に出向くが、男は来るはずもなく待ち続ける・・・
そう、ある時期、定番だった物語。
定番にしたのは、この映画だったのかも。
それほど、流麗華麗に、かつ切なく斎藤耕一は魅せていきます。
ああ、高校生ぐらいの青春期に、この映画を観たならば、必ずや、絶対、一生忘れられない印象を残したことでありましょう。
しかし、もう、りゃんひさは結構な歳。
若くて無軌道な萩原健一の様子がバカっぽくみえてしまい、後半、気持ちがダダ崩れになってしまいました。
そう思うと、もうダメ。
岸恵子のようないい女が、こんな男に心赦しちゃうのかしらん、なんて思ってしまいました。
まぁ、そこそこいい歳になった女がやり直すとすると、前向きすぎるぐらいの情熱がないとダメなんだろうなぁ、と女の気持ちも判らなくもないのですが。
ということで、この映画には、まだ純真だった青春の日に観たかったなぁ、というのが結論。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
<追記>
レンタルショップにはDVDの在庫がなく、両サイドがトリミングされたVHSで鑑賞しました。
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2015年映画鑑賞記録
新作:2015年度作品:68本
外国映画51本(うちDVDなど 8本)
日本映画17本(うちDVDなど 2本)
旧作:2015年以前の作品:94本
外国映画78本(うち劇場15本)
日本映画16本(うち劇場 4本)←カウントアップ
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