『尼僧物語』:信仰という名の束縛か、自身が信じる善か @DVD

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以前、DVD3枚キャンペーンで購入していた『尼僧物語』を鑑賞しました。
フレッド・ジンネマン監督、オードリー・ヘップバーン主演の1959年作品です。
さて、映画。

第二次世界大戦前のベルギー。
外科医の娘ガブリエラ(オードリー・ヘップバーン)は、コンゴでの医療活動がしたくて尼僧を志す。
当時、海外での医療活動(ボランティア)は、教会を通じて行うしかなかったからだ。
彼女は、看護師として優秀で、他人の気持ちも慮ることも出来、自身を律する力も持っている。
しかし、戒律に縛られた尼僧としての生活と、他人を思うヒューマニズムとの間で、常に心が揺れ動くのであった・・・

というハナシ。

名匠フレッド・ジンネマンの演出は、ややもすれば硬質なのだけれど、この映画ではその硬さが厳しさとなって滲み出ている。

信仰という名のもとの束縛と、ヒューマニストとしての自由との間で揺れ動くひとりの女性の姿を、オードリー・ヘップバーンが好演している。
申し訳ないが、彼女に対しては演技派というイメージはなかったが、この映画では見事に表現している。
(たしかに『ローマの休日』でアカデミー賞主演女優賞を獲得しているが、あれは役柄と本人の個性が合致しただけだと思っていました)

特に素晴らしいのはラスト。
尼僧であることをやめ、ひとりの女性として、町へ出ていくシーン。

前半で断髪して尼僧の頭巾を被ってからは一度もあらわにしなかった赤い髪の毛に、白いものが混じっている。
見習いとして入会したときに来ていた平凡な服をつけ、教会の裏扉を開ける。
扉の向こうに教会の裏門に続く道が延び、街路と交差する。
扉を出て、街路を右に曲がるまでの彼女の後姿を、固定のカメラでとらえている。

他の映画でも何度も観たようなシーンであるが、非常に厳しさを感じるシーンで、音もなく、非常に静か。
その静けさが、彼女にとっての覚悟を表していることを感じます。

近年の映画にはない端正なつくりで、久しぶりに「映画を観た」という思いがしました。

評価は★★★★☆(4つ半)としておきます。



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2015年映画鑑賞記録

新作:2015年度作品:79本
 外国映画59本(うちDVDなど11本)
 日本映画20本(うちDVDなど 4本)

旧作:2015年以前の作品:103本
 外国映画84本(うち劇場15本)←カウントアップ
 日本映画19本(うち劇場 5本)
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