『バクマン。』:マンガは読者がいてこそマンガなんだ @DVD・レンタル
昨秋ロードショウの『バクマン。』、DVDで鑑賞しました。
「バクマン」ってどんな「マン」だ? とアホ気な思いがしたものですが(スーパーマンとか、スパイダーマンとか)、驀進漫画の驀漫なのね。
さて、映画。
真城(佐藤健)と高木(神木隆之介)の高校男子ふたり。
ひょんなところからコンビを組んでマンガを描くことになった。
目指すは週刊少年ジャンプの頂点。
その想いの底には、真城の亡き伯父・漫画家の川口たろう(宮藤官九郎)の姿があった。
そして、ふたりの前に立ちはだかる天才高校生漫画家・新妻エイジ(染谷将太)・・・
というハナシ。
原作は「週刊少年ジャンプ」に連載されたマンガだそうな。
ほぉ、メタ構造のマンガですなぁ。
そういえば、岸田智史の名曲『きみの朝』も、メタ構造のテレビドラマ『愛と喝采と』から生まれたんだっけ・・・
と余計なことを思い出したが、『モテキ』の大根仁監督がなかなか快調に演出しています。
通底するのがジャンプのテーマ「友情、努力、そして勝利」だから、まともに演出すると暑苦しい。
そこを暑苦しくならずに演出するのは、かなり難しい。
なにせ、漫画を描くシーンは、どうしても黙々とならざるを得ないから。
そこいらあたり、よく工夫している。
漫画を描くふたりの背景に、描いているマンガがオーバーラップして流れるあたりとか。
ただし、ふたりと新妻との対決シーンは、ちょっとやりすぎ。
で、この映画、実に微妙なバランス感覚があって、「友情、努力、そして勝利」のうちの、頂点を目指しての努力が大半を占めて、ものすごく鬱陶しくなりそうなところで、読者の笑顔が連続して描かれる。
真城の亡き伯父が遺した言葉「マンガは読者がいてこそマンガなんだ」が活きてくる。
この映画、一種のスポ根ものの変型なんだけれど、スポーツもののいいところは、競い合う両者を見守る観客がいるからこそ、その昂奮の度合も高くなるということ。
ライバル同士の競い合いや、仲間との友情だけが描かれていては、良い映画にならない。
そこのところを、上手く処理した。
この読者たちの笑顔のシーンがなければ、この映画は買わない。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2016年映画鑑賞記録
新作:2016年度作品:45本
外国映画30本(うちDVDなど 0本)
日本映画15本(うちDVDなど 1本)
旧作:2016年以前の作品:58本
外国映画47本(うち劇場 9本)
日本映画11本(うち劇場 4本)←カウントアップ
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この記事へのコメント
漫画家って家内制手工業なので、替えが効かないですよね。なので、かなり大変!です。