『後妻業の女』:タチの悪い、笑うに笑えない映画 @試写会

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8月末からロードショウ公開される『後妻業の女』、ひと足早く試写会で鑑賞しました。
『○○○の女』といえば、伊丹十三『マルサの女』『ミンボーの女』などが、すぐさま思い出されます。
どちらも、念入りなリサーチに基づいた、社会派情報サスペンスコメディ映画。
本作はいかに。
ということで、さて、映画。

人生80年時代。
しかし、一生添い遂げる夫婦も少なく、添い遂げたとしても、連れあいに先立たれて、独り身となってからも長い時間がある。
そんな現代では、熟年老年男女の婚活も盛ん。
武内小夜子(大竹しのぶ)は、何度も結婚して、相手の財産をモノにして、死別肥りを繰り返している女。
しかし、小夜子を裏で操っている男がおり、それが結婚相談所所長・柏木亨(豊川悦司)だった・・・

というハナシで、出だしは快調。
小夜子が繰り返してきた後妻情況を短い時間で紹介するので、本家・伊丹十三の情報コメディっぽくてよい。

ところが、直近の結婚相手・中瀬耕造(津川雅彦)の死と財産分与に不信を抱いた娘・朋美(尾野真千子)が探偵(永瀬正敏)を雇って調査するうちに、映画はヘンな方向に行ってしまう。

この手のコメディ映画では、犯罪スレスレのところを巧みに切り抜けて、「ほほぉ」とか「なるほどぉ」と思わせながら、おもしろおかしく見せていかなければならないところを、小夜子と柏木が実際に手を下してしまう。
こうなってしまっては、なんだか松本清張の亜流、それも出来の悪い亜流になってしまって、笑うに笑えない。
その上、探偵も下劣ときては、噴飯ならぬ憤慨もの。

原作小説は読んでいないので、どうとも言えないが、原作タイトルは『後妻業』。
後ろに、「の女」と付けて映画化するのは、小夜子と柏木と同程度、もしくはそれ以上に質(タチ)が悪い。

できれば、「合法だけれど不適切」あたりでとどめる、もしくは「犯罪スレスレだけれど、致し方ない」のレベルにしておいてほしかった。
劇中、柏木が「これは、独り身の老人にとっては功徳や」というセリフが、まったくもってアサッテの方向にいってしまっている。

評価は★★☆(2つ半)としておきます。

<追記>
大阪が舞台で、出演者全員が大阪弁を使うのですが、いやはや、大阪のイメージダウンも甚だしい、腹立たしい。
その上、監督の名前が、大阪の町の名前と同じく「鶴橋(康夫)」というのだから、悪い冗談にしか思えない。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:67本
 外国映画47本(うちDVDなど 7本)
 日本映画20本(うちDVDなど 3本)←カウントアップ

旧作:2016年以前の作品:77本
 外国映画60本(うち劇場14本)
 日本映画17本(うち劇場 5本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2016年11月10日 02:02
なんか、品が悪い映画でしたね。こういうタイプの作品こそ品格よく作らないとだめです。それにしても豊川悦司、下品な男になってしまいましたね。これは役柄だけではないです、もって生まれたものでしょうね。
2016年11月10日 22:50
ぷ~太郎さん、コメントありがとうございます。
今年いちばんの不愉快映画かな・・・
忘れたい。

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