『レイニング・ストーンズ』:無責任に優しいヒューマン映画 @VHS
1993年製作のケン・ローチ監督『レイニング・ストーンズ』、買い置きの中古VHSで鑑賞しました。
VHS!
まぁ、そのむかし近所の中古店で格安でみつけたものなんだけれど、TSUTAYAのレンタルでもVHSしか扱っていない上に、少々遠出してレンタルしなければならないということで、買っておいた次第。
さて、映画。
失業中のボブ(ブルース・ジョーンズ)は妻と娘との三人暮らし。
7歳になる娘の聖餐式には、是が非でも新しいドレスを着せてやりたい。
いつもは羊泥棒なんかの小犯罪や半端仕事で日銭を得ているが、ある日、愛車のオンボロのバンを盗まれてしまう。
これでは半端仕事も出来はしない。
思い余って、ついには高利貸しから金を借りてしまうのだが・・・
というハナシは、まぁ小市民にとってのヒューマニズム溢れる映画ともいえるが、あまり喜んで観ていられる映画ではなかった。
どういうことかというと、ボブの行動があまりに短絡的で、かつ、子どものために見栄を張りたいと、客観的にみると愚かしい。
神父からはドレスの無料レンタルもあると勧められるが見栄を張って断ってしまうし、義理の父親から「いま必要なのは神様の助けじゃなくて、仕事だ」と忠告されても、小犯罪や半端仕事から抜け出せない(仕事口自体が少ないのは確かだけれど)。
まぁ、このあたりまでは笑って済ませてられるのだけれど、後半の展開には頭を抱えてしまった。
高利貸しから脅されたボブは、その高利貸しを逆に脅し、事故ではあるが、その高利貸しを殺してしまう。
そして、教会に逃げ込んだボブを、神父はボブを助けて、めでたしめでたし・・・って、無責任にも程がある。
ありゃりゃ、ケン・ローチもこんな無責任に優しい映画を撮っていたのかしらん、と首をひねってしまった。
評価は★★☆(2つ半)としておきます。
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2016年映画鑑賞記録
新作:2016年度作品:79本
外国映画55本(うちDVDなど 8本)
日本映画24本(うちDVDなど 4本)
旧作:2016年以前の作品:90本
外国映画72本(うち劇場14本)←カウントアップ
日本映画18本(うち劇場 5本)
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