『手紙は憶えている』:なにがあろうとも「忘れてはならない」 @ロードショウ・単館系

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アトム・エゴヤン監督最新作『手紙は憶えている』、ロードショウで鑑賞しました。
主演はクリストファー・プラマー。
1929年生まれなので、今年87歳になる。
2010年製作の『人生はビギナーズ』で米国アカデミー賞助演男優賞を受賞してから、更なる円熟期に入った感じ。
さて、映画。

認知症を患い、施設で暮らしているゼヴ・グットマン(クリストファー・プラマー)。
90歳になる彼は、一緒に入居した最愛の妻に数か月前に先立たれ、その妻が他界したことも忘れてしまうような情況にあった。
ただし、彼には、かつてアウシュビッツに収容され、家族を殺された記憶があった。
同じ施設で暮らすマックス(マーティン・ランドー)も同様の経験をしていた。
ふたりの家族を殺したナチスの看守が「ルディ・コランダー」と名を変えて生き延びていることを知ったマックスは、動けなくなった自分の代わりにゼヴに復讐を託す。
そして、ゼヴの記憶を補うように、復讐の要領を手紙に書き留めていた・・・

というところから始まるハナシは、その後、4人の容疑者「ルディ・コランダー」がいること、そのなかに復讐すべき相手がいることが判明してくる。

とにかく、異様な迫力である。
これは、ひとえにクリストファー・プラマーの名演による。

90歳という高齢の老人は、素早く動けない。
ひとつひとつの行動・挙動がゆっくりとならざるを得ない。
それが、70年の歳月をかけてでも、復讐を遂げたいという執念につながってくる。

これは、車いすに乗り、呼吸器をつけたマーティン・ランドーも、同じである。
さらに、容疑者を演じるのも、ブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロフノウ、ハインツ・リーフェンとこちらも高齢の名優たち。
中でも、出番は少ないながらも、同性愛者を演じたハインツ・リーフェンが、哀しい。
また、亡き父と同じくナチ信奉者となった中年男性が登場するエピソードは、かなり恐ろしい。

第二次大戦から70年以上も経ち、当事者たちは超高齢になってしまった。

過去の悲劇・人間が犯した罪は、なにがあろうとも「忘れてはならない」。
エンディングではじめて映し出される原題「REMEMBER」は、そういう意味だろう。

95分という短い尺ながらも、スリルとメッセージが効いた秀作である。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

<追記>
脚本はベンジャミン・オーガストというひとで、これが劇場用映画初作品。
デビルズ・ノット』の時にも感じたが、アトム・エゴヤン監督は、自分が書いた脚本を監督するより、他人の脚本を演出するほうがいい作品になることが多いですね。

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2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:103本
 外国映画68本(うちDVDなど10本)←カウントアップ
 日本映画35本(うちDVDなど 5本)

旧作:2016年以前の作品:98本
 外国映画77本(うち劇場16本)
 日本映画21本(うち劇場 7本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2016年11月09日 12:25
見ごたえのある作品でした。オチは途中で薄々感づくのですが、それでも想像しなかった展開も多だあり、さすが、エゴヤンといった感じです。
2016年11月10日 22:25
ぷ~太郎さん、コメントありがとうございます。
最近のアトム・エゴヤン監督作品では、出色の出来だったと思います。
演技陣の貢献によるところ多し、ですが。
ここなつ
2016年11月28日 13:08
こんにちは。
これは原題「REMEMBER」そのままでも良かったかもしれませんね。
ともかく、ずっしりとした衝撃的なラストでした。
2016年11月29日 23:30
ここなつさん、コメントありがとうございました。
衝撃度はかなりのものでしたね。
ネタバレ厳禁映画なので、レビュー書くのが難しかった・・・
ことしのマイベスト映画の1本です。

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