『好きにならずにいられない』:幸せになるとしても、変わることは怖い @DVD・レンタル

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DVDでの落穂拾い5本目は、昨年初夏公開のアイスランド映画『好きにならずにいられない』。
正確には、デンマークとの合作だけれど。
原題は「FUSI」、主人公の男性の名前だ。
ま、これでは商売にならないだろうから、エルビス・プレスリーの名曲に肖った日本タイトルになったのだろう。
さて、映画。

アイスランドの空港の荷物係として働いているフーシ(グンナル・ヨンソン)。
超巨漢で女っ気なし、趣味はジオラマづくり。
話をする女性といえば、母親と近所に暮らす幼い女の子ぐらい。
そんな彼に、母親の恋人はダンス教室のチケットをプレゼントした。
が、フーシは一張羅を着て教室に来たものの、中へ入れず、教室前の駐車場に停めた車の中で座っているだけ。
教室が終わるころになると、天候は大荒れ猛吹雪。
そんな中、教室から出てきたひとりの女性が自宅まで送ってほしいという・・・

というところから始まる物語で、フーシはその女性シェヴン(リムル・クリスチャンスドウティル)に一目ぼれしてしまう。

プレスリーの名曲の歌詞さながらに、「慌てて恋に落ちたけど、好きにならずにいられない」だ。

いつしかシェヴンもフーシに惹かれていくが、日常の生活を見られたシェヴンはフーシを拒絶してしまう。
彼女の生活の糧は、ごみの収集と分別。
そして、昼間はうつ状態に陥ることが多い。

そんな彼女を見かねたフーシがとった行動は、それまで無休では働いてきた空港の仕事を休んで、彼女のうつ状態が酷いときに彼女の代わりにゴミ収集と分別の仕事をしようというもの。

なかなかいいハナシだ。
この映画、フーシとシェヴンの恋模様を主軸に描かれているが、途中途中、空港の仕事仲間からの容赦ないイジメや幼児性愛者と間違われて警察にしょっ引かれてしまうなどの描写が、哀しさを増長している。

そんな展開だから、てっきりフーシとシェヴンは幸せになるのかと思いきや、そんなことにはならない。
ふたりで一緒に暮らそうと引っ越し作業のさ中に、シェヴンから別れを切り出されてしまう。

えええ。
だが、なんだか、わからなくもない。

幸せになるのが怖いのだ。

なんの説明もなく別れを切り出すシェヴンの様子からは、そうとしか思えない。
いままでの暮らしがどうであれ、別の暮らしに「変わることが怖い」、それが結果的に幸せになるとしても。

そんな出逢いと別れを経験したフーシは、変わったのだろうか。
ラスト、ひとりでエジプト(彼がジオラマづくりで再現していた地)に向かう姿をみると、哀しさは悲しさに変わってきてしまう。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:21本
 外国映画17本(うちDVDなど 2本)
 日本映画 4本(うちDVDなど 0本)

旧作:2017年以前の作品:23本
 外国映画20本(うち劇場鑑賞 5本)←カウントアップ
 日本映画 3本(うち劇場鑑賞 0本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2017年03月25日 02:36
いや~、このおっさんモテないわと思ってしまう。ものすご~くいい人、もったいないくらいいい人。でもモテない、報われない、幸せになれない。いつもなら「最後くらい何とかしてあげてよ、映画なんだから」と思ってしまうんだけど、「やっぱこうだよね」とこの結末に納得してしまう私は冷淡なんだろうな。でも哀しいよね。
2017年03月25日 10:45
ぷ~太郎さん、コメントありがとうございました。
この映画、主人公が最後に変われば、よかったわぁって思うんですが、結局のところ、男女とも変わらないので、ちょっと遣る瀬無かったですね。

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