『ビニー 信じる男』:実録度の高いボクシング映画 @試写会
『セッション』のマイルズ・テラー主演最新作『ビニー 信じる男』、ひと足早く試写会で鑑賞しました。
7月公開なので、ふた足ぐらい早いかも・・・
さて、映画。
1980年代後半、ロードアイランド出身のイタリア系ボクサー、ビニー・パジエンサ(マイルズ・テラー)。
ハードパンチャーだが自惚れが強く、ここんところは連続して敗退している。
直近のチャンピオン戦でも敗れ、プロモーターから見切りを付けられ、トレーナーも交代させられる。
トレーナーはケビン・ルーニー(アーロン・エッカート)。
かつては名トレーナーでチャンピオンも育てたこともあるが、いまでは酒浸り。
しかし、そんなケビンもビニーの素質に惚れこみ、2階級上のクラスに挑戦することをビニーに勧める。
それが功を奏して世界王者となったビニーだったが、その矢先、自動車事故に遭い、首の骨を折る重体になってしまう・・・
というところから始まる男の再起の物語で、実話に基づいている。
上記のあらすじまでで、おおよそ映画の3分の2を費やしており、じっくり描いた映画といえばいいのか、実録度は高い。
実録度が高い、は言い換えると、映画的な改変が少なく、その分、盛り上がりに欠けるともいえる。
たぶん、本人が存命のため、あまり映画的に改変できなかったのかもしれないが、もう少し描いてほしいところはいくつもある。
前半でいえば、ケビンがビニーの素質に惚れこむあたりや、クラスを上げるためのプラクティス。
中盤でいえば、ビニーの怪我の回復の様子を医者の立場から描くとか。
「信念の男」というのは伝わるには伝わるが、もうひとつ周囲の熱気などが乏しい。
体重を絞って役作りをしたマイルズ・テラーは、若い頃のショーン・ペンに似ていて、ちょっとビックリした。
エンドロールで映し出される本人とはまるで似ていないが、ま、そこんところはよしとしよう。
ボクシング映画といえば、どうしても『ロッキー』と比べてしまいたくなるが、感動は遠く及ばない。
評価は★★★(3つ)としておきます。
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2017年映画鑑賞記録
新作:2017年度作品:35本
外国映画28本(うちDVDなど 4本)←カウントアップ
日本映画 7本(うちDVDなど 0本)
旧作:2017年以前の作品:36本
外国映画30本(うち劇場鑑賞 9本)
日本映画 6本(うち劇場鑑賞 1本)
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この記事へのコメント
この作品、ともかく役者が凄かったです。
アーロン・エッカートの変貌ぶりには驚かされました。
マイルズ・テラーは、「セッション」の時のおどおどとした青年と打って変わって、どちらかといえばチャライとも言える俺様仕様を前面に打ち出していたので、そこも良かったです(トレーニングの賜物の肉体とかに触れずにすみません(笑))。