『ウィル・ペニー』:藤沢周平原作の時代劇に似た雰囲気の西部劇 @DVD

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前々回、自宅でのDVD鑑賞作品について記しましたが、その続き。
作品は1967年製作の西部劇『ウィル・ペニー』。
60年代といえば、イタリアのマカロニウエスタンに押され、本家ハリウッドの西部劇は低調。
これまでの活劇主体の英雄譚的西部劇から、マカロニウエスタンの過剰なバイオレンスを取り入れたり、リアリズム重視の作品が登場するようになった時期。
そして、また一方では同年『俺たちに明日はない』がつくられ、アメリカンニューシネマの時代へと変化してしていく。
そんな時代だった。
と、ここまで述べたことはリアルタイムに経験していないので、実感はないのだが、そんな時代に作られた、この映画、さて・・・

五十歳間近いベテラン牧童ウィル・ペニー(チャールトン・ヘストン)。
仲間たちと行ってきた牛追いの仕事も、鉄道の駅まで運ぶところで、おしまいとなった。
一緒の仲間たちはそれぞれ次の仕事を目指して別れていった。
ウィルは、ブルー(リー・メジャース)とダッチ(アンソニー・ザーブ)との三人旅になるが、道中、毛皮商で説教師のプリーチャー(ドナルド・プレゼンス)一家と、狩りの獲物を巡って騒動となり、ダッチが命にかかわるような負傷をしてしまう。
ウィルは、ブルーとともにダッチを近く(といっても相当距離はあるが)の医師のもとまで運ぶ途中、農場主の夫の後を追って西海岸に向かう子供連れの婦人・キャサリン(ジョーン・ハケット)と知り合う・・・

というところから始まる物語で、この後、医者にダッチを送り届けたウィルはふたりと別れ、伝手を辿って、アレックス(ベン・ジョンソン)が経営する広大な草原の見回り牧童の職を得る。
そこで、案内役に逃げられ、途方に暮れ、アレックスが管理する小屋に許可なく滞在しているキャサリン親子と再会、ウィルがふたりが冬を越すのを黙認し、手助けまでしてやる・・・と展開していく。

これが劇場用長編映画初監督のトム・グライス(トム・グリース)演出はリアリズムを主軸にしており、特に前半、鉄道駅までの牛追いの描写は秀逸。
その上、瀕死のダッチがユーモラスで、コミックリリーフの役割も果たしており、なかなかご機嫌になれる。
ウィルとキャサリン親子が再会してからの展開は『シェーン』を彷彿させ、詩情たっぷりといったところ。
説教師でありながら、すこぶる残忍なプリーチャー一家は、家長役のドナルド・プレゼンス、息子役のブルース・ダーンの好演もあり、凄味満点。

終盤にエンタテインメントとして定番のガンファイトを入れているが、突如登場する助っ人などは、前半に伏線が張られているとはいえ、少々、娯楽味が強いかも。

プリーチャー一家の手から逃れ平穏な日々を取り戻した後のエンディング、五十を目前の牧童には牛を追うことしかできないと、キャサリンの告白を袖にして去っていくウィルの後ろ姿には哀愁が漂っており、時代劇の渡世人さながらである。
全体的な雰囲気としては、藤沢周平原作の時代劇に似た雰囲気がある。

チャールトン・ヘストンの演技としては、この映画がベストかもしれない。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:83本
 外国映画64本(うちDVDなど16本)
 日本映画19本(うちDVDなど 0本)

旧作:2017年以前の作品:58本
 外国映画50本(うち劇場鑑賞13本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場鑑賞 3本)
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