『わたしを離さないで』:大英帝国的階層社会の極北 @DVD・レンタル

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先ごろノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ原作の映画化『わたしを離さないで』(2010)、DVDで鑑賞しました。
近所のレンタルショップでは同氏に関するミニコーナーが出来ており、作品は3作。
原作『日の名残り』(1993)、脚本『上海の伯爵夫人』(2005)、それに本作。
前2作はイスマイル・マーチャント製作、ジェームズ・アイヴォリー監督のコンビでしたが、本作では『エクス・マキナ』のアレックス・ガーランド脚本に『綴り字のシーズン』のマーク・ロマネク監督と少々毛色が変わっている。
前置きが長くなったが、さて、映画。

1950年代前半に画期的な医療技術が発達し、1967年には人間の平均寿命は100歳を越えた・・・と字幕が出る。
舞台は、1970年代後半の英国。
緑に囲まれた寄宿学校でヘールシャムで生活する生徒たち。
キャシー、トミー、ルースもそのうちの3人。
しかし、生徒たちには秘密があった・・・

というところから始まる物語で、彼らの秘密は映画前半で早々に明らかになる。

画期来な医療技術とは臓器移植のことで、彼らはその臓器提供を目的として生まれた子供たち。
それも、クローン技術によって生まれたもの。
とはいえ、成長の速度は通常の人間と変わらないので、移植に適する年齢になるまでに十数年かかる。

そんな彼らは人間なのか、どうか・・・というのが主題。

レプリカントが人間かどうか以上に、人間であるのは間違いない。
が、人間とみてしまうと、死を前提にした臓器提供装置とすることはできない。

いやぁ、どうにもこうにも、人間に格差をつけて社会を構成しようとしていた大英帝国的階層社会、それが極限まで行きついた世界のようで、居心地はすこぶる悪い。

最後、主役のキャシーは言う。

臓器の提供を受けて生きながらえる人々と、提供するわたしたちとどこが違うのか。
わたしたちの命は短い。
でも、提供を受けて浮きながら得た人々も、その一生を短いと嘆くだろう、と。

雰囲気のある撮影もよく、キャリー・マリガン(キャシー役)、アンドリュー・ガーフィールド(トミー役)、キーラ・ナイトレイ(ルース役)、シャーロット・ランプリング(ヘールシャム学長役)と役者陣もいいが、アレックス・ガーランドの脚本はどことなく底が浅いが感じがする。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:90本
 外国映画69本(うちDVDなど19本)
 日本映画21本(うちDVDなど 1本)

旧作:2017年以前の作品:62本
 外国映画54本(うち劇場鑑賞13本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場鑑賞 3本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2018年03月29日 17:11
辛い話ですね。大英帝国的階層社会ですか。そう思って観てしまうと、確かにすこぶる居心地は悪いです。テイストは好きな作品ですので葛藤するところですが、こんな世界になる前にあの世にいきそうなので、それはよかったです。
りゃんひさ
2018年03月30日 00:20
ぷ~太郎さん、コメントありがとうございました。
大英帝国恐るべし、って感じ。
それ以上でもそれ以下でも、時間が経つと残っていません。

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