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zoom RSS 『ガザの美容室』 :戦闘と平和、男と女・・・そう簡単には割り切れぬ @ロードショウ・単館系

<<   作成日時 : 2018/06/28 16:12   >>

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ウディ・アレンや是枝裕和とお気に入り監督の新作が公開されているので、早く観に行かねば、と思っているのですが・・・
その前に、気を抜くと観逃しそうな単館系作品があったので、そちらを優先しました。
映画は『ガザの美容室』。
パレスチナ・フランス・カタールの合作映画です。
さて、映画。

パレスチナのガザ地区にある小さな美容室。
店主はロシアからやって来た女性。
彼女が言うには、ロシアの物価高に辟易したのだ、とか。
従業員は、ほかに若い女性がひとり。
彼女の恋人は、反政府活動をしており、いままさに、美容室の前で監視活動を行っている。
客は、離婚調停中の中年女性(ヒアム・アッバス)、夕方に結婚式を挙げる花嫁。
そのふたりがカット台に座っている。
ほかに、待っているのは、詮索好きで不満を口にしている中年女性、それに連れ立ってやってきたヒジャブを被った信心深い主婦、花嫁の母に、花婿の母と妹・・・
何気ない普段の会話が飛び交っているが、そのうち、美容室の外では戦闘がはじまる・・・

といった物語で、舞台劇やワンシチュエーション・スリラーを思わせるような設定。
全体で84分という短い尺も、そういう類の作品に近い。

前半は、女性たちの他愛ない会話。
誰もが誰かに対して不平不満をしゃべるこの前半は、会話の端々に、パレスチナの現状が窺い知れるけれど、それほど面白くない。

が、後半、美容室の外で戦闘が起こってからは、スリラー的要素が加わり、面白くなる。

ヒジャブを被った信心深い女性が定時の祈りをしている最中に銃声が轟き、店内は停電になる。
従業員の娘の恋人は、やって来た警官に連行されてしまう・・・

命あっての物種。
そんな言葉が脳裏をかすめる。

そんな物騒なところへ、恋人とロシアからやって来た店主は、「慣れればここも満更ではない」という。

まだ、戦闘が激しくなる少し前、件の詮索好きの中年女性が「わたしが首相だったら・・・ あなたは〇〇大臣に・・・」とひとりひとりに役職を与えるあたりも興味深い。
たしかに、生活よりも闘うことを先行してしまう男たちよりは、女たちの方がいい国をつくるかもしれない。
けれでも、そんな彼女たちも、ちょっとしたことで掴み合いの喧嘩を起こしてしまう・・・

戦闘と平和、男と女・・・そう簡単には割り切れぬ、ということか。

エンディング間近になって、カメラが美容室の外へ出ると、そこは大混乱の世界。
世界は、いつでも大混乱。

こういう世の中が世界には、ごまんとある。
あらためて、そう思った次第です。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

<追記>
ヒアム・アッバスはイスラエルの主要な女優で、米国の『ブレードランナー 2049』『扉をたたく人』にも出演していますね(後者は主演です)。

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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:40本
 外国映画32本(うちDVDなど 3本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

旧作:2018年以前の作品:37本
 外国映画30本(うち劇場鑑賞 3本)
 日本映画 7本(うち劇場鑑賞 1本)
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「ガザの美容室」
この作品は大層イラン映画っぽい。終始会話劇で成立している。で、正直に言うと、私はこういうイラン映画っぽい作風は苦手なのである。終始会話劇で成立している作品自体が苦手だということではないのだけれど…何だろう、何でか「面白さ」を感じられない。市街地にまで内戦の影響が色濃いガザの街で営まれる美容室に集まった女性達が、言葉を交わし、そこにそれぞれの人生模様が見え隠れし、悲劇とそれに立ち向かう女性の強さが炙り出されるという、プロットとしては極めて好きなものなのに、ものなはずなのに。ガザの街中にある美容室。... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2018/07/31 12:39

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
なんだかね、こんな戦場のような所(実際そうなのだけれど)でも人は住み生活せざるをえないのがなんとも言えないですね。外の緊迫感と、女性達の語る日ごろの不満とのギャップが面白いといえば面白いが、より悲惨さを感じます。
ぷ〜太郎
2018/07/25 14:51
ぷ〜太郎さん、コメントありがとうございます。
美容室の内側と外側のギャップがリアルさを増して感じさせる映画でしたね。
日本からは、遠い海の向こうの話なのかもしれませんが、そういってもいられないような雰囲気もあるような・・・
りゃんひさ
2018/07/25 21:45

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