『パパ、ずれてるゥ!』:50年近く経つと当時の風俗が面白く感じられます @特別上映

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ことし4月に他界したミロス・フォアマン監督の渡米後第1回監督作品『パパ、ずれてるゥ!』を特別上映で鑑賞しました。
DVD化もされているようなのですが、スクリーン上映は滅多にない、1971年作品です。
さて、映画。

15歳の少女ジーニー(リニア・ヒーコック)は、両親に黙ってロック歌手のオーデイションに出かけていた。
父(バック・ヘンリー)も母(リン・カーリン)も相当に心配し、友人とともにジーニーを探しに出かけるが、簡単には見つからない。
見つからないので、探しに出た父は友人とともに酒場で一杯飲んで帰宅したら、あきれた妻と夫婦げんかになってしまう。
そんなところへ帰宅したジーニーは、こっぴどく叱られ、本格的に家出してしまう・・・

といったところからはじまる物語で、映画はその後も延々と続くオーディションの様子と、家出したジーニーを探して、結果、怪しげな協会に参加してしまう両親の様子をカットバックで描いていきます。

ミロス・フォアマン本人が「自分にとっての最後のチェコ映画」というように、後の『カッコーの巣の上で』『アマデウス』『ラグタイム』などと異なり、物語を描くというよりも、その場その場の面白さを描いた風俗喜劇で、どちらかというと、70年代後半以降に作られた所謂「オフビート」映画に近い雰囲気です。

個人的には、あまりオフビート映画は性に合わないのですが、この映画は少々目先を変えて作られており、そこが最後まで興味を惹きました。

それは、オーディションシーンで描かれるたっぷりの音楽シーン。
これが、世代間の断絶を描いた(それほど目新しくない)エピソードを退屈せずに魅せる効果をあげています。

音楽シーンでは(オーディションシーン以外も含めて)、キャシー・ベイツ、カーリー・サイモン、ティナ・ターナーが出演しています。

ドラマシーンで面白いのは、両親が参画する「家出した子どもを持つ親の会」で、家出する子どもたちの気持ちを知ろうとして、集団でマリファナを吸う件は、後年のチーチ&チョン映画の趣。
このシーン、海外ではインパクトが強烈らしく、当時のポスターなのではメインに取り上げられています。

で、この映画、面白いのか面白くないのか・・・

たぶん、1972年に日本で公開されたときには、それほど面白くなかっただろうと想像できます。
なにせ、風俗的に米国と格差があったから。

けれど、製作から50年近く経ってから観ると、当時の風俗がやたらに興味深く、面白く感じられました。

なるほど、ミロス・フォアマンは、チェコ時代には、こういう傾向の映画を撮っていたのか!

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:46本
 外国映画37本(うちDVDなど 3本)
 日本映画 9本(うちDVDなど 0本)

旧作:2018年以前の作品:42本
 外国映画35本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
 日本映画 7本(うち劇場鑑賞 1本)
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