『そして僕は恋をする』: この長さがこの映画の魅力なのかもしれない @特集上映

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9月に入ってから、まだ映画館に足を運んでいないのですが、あ、レビューアップしていない作品があることに気づきましたので、慌ててアップします。
とはいえ、レビューアップしなくても困ることなどないのだけれど、それはそれ、性分なので。
で、映画は『そして僕は恋をする』、1996年製作のアルノー・デプレシャン監督作品です。
さて、映画。

まもなく30歳になろうかというポール(マチュー・アマルリック)。
哲学専攻でなかなかの論客なので将来を嘱望された研究者だったけれど、生来のなにかによって博士論文が書けず、いまだ講師の身分。
同年代の仲間は教授職を得たりもしている。
そんな彼には、長年付き合っている恋人エステル(エマニュエル・ドゥヴォス)がいて、その関係は、文字どおりの腐れ縁。
先に教授職を得た親友ナタン(エマニュエル・サランジェ)の恋人シルヴィア(マリアンヌ・ドゥニクール)にくらくらしたり、同居している従弟ボブ(ティボー・ド・モンタランベール)の彼女のパトリシア(キアラ・マストロヤンニ)も気になる・・・

というところから始まる物語は、そんな地に足のつかない恋愛中心の20世紀終わりのフランスのアラサー世代を活写するグラフィティ的映画。

アルノー・デプレシャン監督作品でこれまで観たのはこの後に撮られた『クリスマス・ストーリー』『ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して』『あの頃エッフェル塔の下で』の3本。
幻惑の2時間30分『クリスマス・ストーリー』で魅せられて、その後の作品を観るも、どことなく、尺が足りない印象が強かった。

たぶん、監督の演出生理なのだろうが、すくなくともデプレシャン監督には2時間半は必要、と感じたのが本作。
ポールを中心としたダラダラの取り留めのない恋愛模様を、途中、少々退屈しながらも見通した後、あれれ、なんだかもう一度観たいなぁ、と思わせるものがありました。

途中途中で登場するエマニュエル・ドゥヴォスやマリアンヌ・ドゥニクールの裸体の生々しさもそうなのだけれど、ポールが話す哲学的でかつ刹那的な台詞に、ああ、もう一度聞いて意味を確かめたい・・・と思わせるものがあったわけです。
そう、マチュー・アマルリックの脆弱な肉体から発せられる、脆弱で(かつ哲学的で刹那的)な台詞に、アメリカのグラフィティ映画にない匂いを感じるのかもしれません。

ま、でも、3時間は長いような気もする・・・けれど、切って縮めると何も残らなそうだから、この長さがこの映画の魅力なのかもしれません。

冒頭のセーヌ河畔のショットのつなぎ(長い、長いときて、短い、短い、短いショットのつなぎ)のリズム感、結構、好きです。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:56本
 外国映画47本(うちDVDなど 1本)
 日本映画 9本(うちDVDなど 0本)

旧作:2018年以前の作品:56本
 外国映画49本(うち劇場鑑賞10本)←カウントアップ
 日本映画 7本(うち劇場鑑賞 1本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2018年11月19日 16:06
観たい観たいと思っていてやっと観れた作品。確固たる主題がある話ではなく、ただただ当時のアラサー達の生態が描かれるだけ。なのに面白いのは何故?若い頃ってこんなもんという全世界共通の雰囲気があるのはそうですが、若い時のマチュー・アマルリックは魅力的です。(年取った今はちと過剰気味ですが)
2018年11月19日 22:08
ぷ~太郎さん、たしかに、話もへったくれもないような映画なのですが、でも、面白かったですね。

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