『ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー』:実際のところ、映画を作ったのは誰なんだ?@DVD

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落穂ひろい的DVD鑑賞の続きです。
映画は『ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー』。
昨年春ロードショウされたドキュメンタリー映画です。
さて、映画。

ハリウッド映画の絵コンテ作家ハロルド・マイケルソンと、大手スタジオのライブラリアンのリリアン
ふたりは第二次世界大戦後に知り合い、結婚し、互いが互いの仕事のプロフェッショナルとして数々の映画に携わってきた・・・

という内容のドキュメンタリーで、絵コンテ作家は映画でクレジットされることはほとんどありません。
が、映画の本質にかかわるという意味では、ある種の映画では絵コンテ作家によって映画が決まるともいえるでしょう。

気になったのでハロルドのことをIMDBで調べてみると、アートディレクター、プロダクションデザイナーとしてクレジットされたのは15本ほど。
その中には、この映画でも登場する『スペースボール』や『スター・トレック(ロバート・ワイズ監督版)』が含まれています。
が、クレジットされていない映画は50本近くもありました(そのほとんどはストーリーボード・アーチスト(絵コンテ担当)。

で、驚いたのは、監督の意向を具体的に描きおこすのかと思っていたのですが、カット割りはほとんど彼が決めていた節があることです。

特に引き合いに出されているのは、マイク・ニコルズ監督『卒業』。
後年(といっても結構早い時期)の彼の作品で面白いと思ったものは少なく、『卒業』だけが傑出している理由は、ここにあったようですね。

対するリリアンは、膨大な資料の山から必要な情報(主として時代風俗など美術にかかわること)を引っ張り出して提供する役目で、リサーチャーとクレジットされます(アンクレジットの場合も大半)。
ライブラリが、コッポラ率いるゾエトロープスタジオに引き取られたこともあり、後年はゾエトロープ作品に携わっています。
資料がない場合、ときにはマフィアに直接話を聞きに行く、ということがあったなどのエピソードが紹介されており、ほんとうに興味深かったです。

こういう縁の下の作業を続けるふたりをみていると、映画は監督が作ったものではないんだ、ということをあらためて感じる次第です。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:60本
 外国映画49本(うちDVDなど 2本)
 日本映画11本(うちDVDなど 0本)

旧作:2018年以前の作品:62本
 外国映画55本(うち劇場鑑賞12本)←カウントアップ
 日本映画 7本(うち劇場鑑賞 1本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2018年11月27日 16:06
いや~、びっくりしました。映画製作の裏にこのような人達がいたとは!ホント、監督ではなく彼らが本質的に映画を作っていたのではないですか。ただただびっくりです。観て良かった!
2018年11月27日 21:39
ぷ~太郎さん、日本映画では基本的に監督がコンテを割るのでこの映画のような役割はないのだと思います。
つまり、日本映画の場合は、やっぱり作っているのは監督だと思うのです。
で、ハリウッドでは分業の末、監督は撮影現場では役者の演技をみるだけなのかもしれませんね。
現場でdirect(指示)できるのは役者だけかもしれません。

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