『花咲くころ』: 時代と年頃、両方の不安定さ @特集上映

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落穂ひろい的鑑賞の続きですが、今回は劇場での鑑賞です。
映画は『花咲くころ』。
今年2月にロードショウされたジョージア・ドイツ・フランス合作映画です。
岩波ホール創立50周年記念作品第1弾と銘打たれています。
とはいえ、岩波ホールは苦手で・・・と、毎度毎度、岩波ホール上映作品を鑑賞作品を観る度に書いているような気がしますが、今回も別の劇場。
さて、映画。

1992年春のジョージア(グルジア)。
ソ連から独立し、内戦が続いていたが、落ち着きを取り戻しつつあるころ。
首都トビリシに暮らす14歳のふたりの少女、エカ(リカ・バブルアニ)とナティア(マリアム・ボケリア)。
ふたりは親友同士。
ナティアは、ある事柄から近所に住む少年ふたりから執拗ないじめに遭っている。
一方、エカの父親はアルコール依存症で、両親のいざこざは絶えない。
また、エカは不良少年のコテから一方的に言い寄られているが、彼女はハンサムで優しいラド少年に想いを寄せている・・・

というところからはじまる物語で、エカは一時的にトリビシを離れるラドから護身用の拳銃を手渡される・・・と展開する。

内戦が一時的に収束したとはいえ、この年の夏には再び戦乱が訪れると冒頭の字幕で示されており(たぶん、情況がわからない日本向けの措置だろう)、ほんの短い平和のとき。
そんな平和なときは、思春期の少女が思い悩む事柄は、どこの国でも同じであろうし、この映画に描かれているのも、そういう内容。

とはいえ、14歳の少女の手に、いとも容易く拳銃が渡るあたり、平和というのは名ばかりなような感じがするし、ナティアがイジメられている理由も、実はナティアの父親がイジメる側の少年の父親を殺したことがわかると、これもまた内戦の傷跡だということが切々と感じられる。

で、拳銃を手にしたエカは、さらにその拳銃を護身用にとナティアに渡すが、エンタテインメント作品ような安易な復讐譚にはならない。
一方、エカは、ラドが不在の隙に、コテに無理やり言い寄られ、結果、結婚させられる。
エカは、「無理やりじゃない、成り行きなの・・・」というが、旧弊な伝統に縛られているよう。
結婚式では、エカの両親も、晴れがましく、嬉しく思っている様子で、その祝いの席で、ナティアが、そんな因習に歯向かう想いを抱いて、親友のために(心のうちを隠して)伝統の踊りを披露するシーンがこの映画の最大の見せ場であろう。

この後に、再度内戦が持ち上がることが冒頭で示されているので、もう少し派手なシーンがあるかと期待したが、それは、ない。

シーンのつなぎなどには未熟なところがあったり、映画がはじまってすぐは物語の視点が定まっていないなど欠点はあるのだけれど、時代と年頃、両方の不安定さが写しとられた佳作といえるでしょう。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:61本
 外国映画50本(うちDVDなど 2本)←カウントアップ
 日本映画11本(うちDVDなど 0本)

旧作:2018年以前の作品:62本
 外国映画55本(うち劇場鑑賞12本)
 日本映画 7本(うち劇場鑑賞 1本)
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