『追いつめられて…』:サスペンス版『シベールの日曜日』ともいえるかも @DVD

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買い置き廉価版DVD鑑賞の続きです。
作品は『追いつめられて…』、1959年英国製作作品。
監督はJ・リー・トンプソン
2年後の1961年に『ナバロンの要塞』、1969年に『マッケンナの黄金』とアクション大作を撮っていますが、これぐらいの規模の映画の方が似合ってそうです。
さて、映画。

長い航海から英国タイガーベイに戻ったポーランド人船乗りコーチンスキー(ホルスト・ブッフホルツ)。
陸で待つ恋人アンナ(イヴォンヌ・ミッチェル)を訪れたところ、彼女は引っ越しており、引っ越し先では「新しい男が出来た。あんたみたいな甲斐性なしじゃない」と詰られてしまう。
カッとなったコーチンスキーは、もみ合ううちに彼女の取り出した拳銃を奪い、激情に駆られて撃ってしまう。
それを、同じアパートに住む少女ギリー(ヘイリー・ミルズ)が見ていた・・・

というところから始まる物語で、子どもが目撃者というのは、その後いくつか作られているので、この映画がハシリかもしれません。

こういう設定になれば、目撃された犯人が子どもを追い、掴まえて殺そうとするのが定石なのだけれど、この映画では一ひねりも二ひねりもしてあります。

ギリーを見つけたコーチンスキーであるが、いつも嘘ばかりついて友だちはおろか母親にも信用されずに孤独なギリーに、殺人者となり恋人も失った彼は、同じ境遇・同病相憐れむという感じで、少女に絆され、心を通い合わせます。
ギリーもコーチンスキーのことを信用し、大切な存在と認めます。
つまり、ギリーはその後も嘘をつき続けて、コーチンスキーの逃亡を助けるわけです。
このギリーとコーチンスキーの関係は、1962年のフランス映画『シベールの日曜日』に似た雰囲気があります。

一方、事件の捜査をする警察側は、殺されたアンナには新しい情人がおり、アナウンサーをして街の名士である彼が、事件当日現場で目撃されていることから、容疑者として追っていきます。
この警察側の警部をジョン・ミルズが演じており、彼がビリングのトップで、ヘイリー・ミルズの実父です。
なので、「目撃したのは、この男か。嘘は言っちゃいけない」とギリーに言うシーンなどは、妙なリアリティがあります。

当初、ギリーの偽証もあり、ほぼほぼ犯人はアナウンサーの情人、となるのですが、ところがコーチンスキーが真犯人、と気づいた警察側。
しかし、そのときには彼は海外船舶上の人となっており、海岸線3マイル以遠は国外とみなされ、治外法権域。
ここで、新たなサスペンスが生まれるという終盤の展開は見事。

なかなか最後の最後までどうなるかわからない展開の脚本も巧みですが、短いカットを多用したJ・リー・トンプソンの演出も上手い。

いまリメイクしても、こう上手くはいかないのじゃないかなぁ、という感じのモノクロサスペンスの秀作でした。

評価は★★★★(4つ)です。

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2018年映画鑑賞記録

新作:2018年度作品:83本
 外国映画67本(うちDVDなど 8本)
 日本映画16本(うちDVDなど 2本)

旧作:2018年以前の作品:81本
 外国映画70本(うち劇場鑑賞17本)←カウントアップ
 日本映画11本(うち劇場鑑賞 4本)
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