『結婚演出家』:現実と虚構が混沌とするが、面白いのかしらん? @DVD・レンタル

画像

昨年開催の特集上映「Viva!イタリア vol.4」で上映された『結婚演出家』、DVDで鑑賞しました。
監督はマルコ・ベロッキオ
眠れる美女』や『甘き人生』は観ているが、どちらかというと硬派な印象の監督。
謳い文句などからはコメディのように思えたので、さてさてどんなものかしらん、ということでレンタルしました。
さて、映画。

ベテラン映画監督のフランコ・エリカ(セルジョ・カステッリット)、現在は、古典小説の『いいなづけ』を映画化すべく準備中で、キャスティングオーディションの最中。
そんななか、突然、オーディション女優からセクハラ被害を訴えられ、逃げるようにシチリア向かった。
そこで、新婚カップルを撮影中のカメラマンのエンツォに気に入られ、ひょんなことから貴族のグラヴィーナ(サミー・フレイ)から、娘の結婚式の撮影を頼まれて引き受けてしまう。
娘は、没落した家のために金持ちの弁護士を婿に迎えることになっていたが、当の娘も親のグラヴィーナもその結婚を快くは思っていなかった。
そして、娘とフランコは一瞬にして恋に落ち・・・

という物語なのだけれども、こちらの基礎知識が不足しているのかもしれないが、さっぱり要領を得ない。
ハナシはわかるのだけれど、どこに面白さを見出していいのかがわからない。

なのでここからは、鑑賞後に調べたことも含めての再検証みたいなもの。

まず、主役のフランコ・エリカ監督は、かつてヒット作や映画賞受賞をした経歴があるものの、現在の映画の潮流からは置き忘れたような存在。
で、彼が映画化しようとしている『いいなずけ』という小説は、ダンテの『神曲』と並ぶイタリア文学の最高峰だそうで、イタリアの知識人・教養人なら内容はご存知だそう。
内容は、
16~17世紀の北イタリアの暮らす若者と娘が結婚を上げようとするが、領主の横恋慕により、司祭に式の立ち会いを拒むように命じ、さらに領主から式を挙げれば命はないと脅されたふたりが逃避行をする・・・というもの。

つまり、『いいなずけ』を撮ろうとしていた監督が、シチリアで『いいなずけ』の世界の主人公になってしまう・・・
という物語で、その『いいなずけ』世界に陥った彼がみる幻想と現実が不可分的に描かれていくところに面白さがあるようだ。

ここを踏まえると、途中途中でインサートされるモノクロ映像の意味もなんとなく察しが付くのだけれど、種類はふたつあって、ひとつは監督が持つ結婚式を撮るためのカメラ映像、もうひとつは街角や門扉の監視カメラ映像。
前者は文字通り、監督の手によるもので、現実の監督の視点。
後者は、『いいなずけ』世界に入り込んだ監督を観る「神(もしくは作者)」の視点。

その他、フランコと同様、時代の潮流から忘れらされた老監督が登場し、ふたりで現状を嘆き、その後、その老監督がドナッテロ賞(伊アカデミー賞)を受賞する一幕もあったりするが、その老監督が生きているのか死んでいるのか、そもそも現実なのか、フランコの幻想なのかも曖昧模糊としている。
この老監督のエピソードも含めて、後半はフランコの現実と幻想が区別なく描かれ、また、シチリアでの死者の祭なども挿入されるので、曖昧さにドライブがかかっている。

そういったあたりを「さすが!」といって楽しめればいいのだけれど、残念ながら、そうはいきませんでした。

最後は、フランコが貴族の娘とともに逃避行することになるだけれど、これって『いいなずけ』では序盤にあたるところまでと思うのだけれど、どうなのかしらん?

評価は★★☆(2つ半)です。

------------------
2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:12本
 外国映画12本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 0本(うちDVDなど 0本)

旧作:2019年以前の作品:20本
 外国映画15本(うち劇場鑑賞 5本)←カウントアップ
 日本映画 5本(うち劇場鑑賞 2本)
------------------

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック