『天気の子』:前作は問題作、本作は凡作 @ロードショウ・シネコン

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『君の名は。』の新海誠監督最新作『天気の子』、ロードショウで鑑賞しました。
前作は、「過去作品の設定を拝借」とか「東日本大震災をなかったことにするのは・・・」と、とにかく個人的には「問題作」であったと思います。
とはいえ、ある種のエンタテインメント作品としては、問題はあっても、それなりに評価しています。
★★☆はネガティブ・オンリーの評価ではなかったりするのですが・・・
さらに大ヒットもしたので、新作、どのような作家性をみせてくれるのかしらん、と期待半ばでの鑑賞です。
さて、映画。

天候不順で夏になっても雨が降り続く東京。
離島の実家を家出して東京にやって来た高校生の帆高は、なかなかバイト先を見つけられない。
心が折れかけていたとき、連絡船で命を助けてくれた須賀のもとを頼ることした。
須賀は、潰れたスナックを根城に小さな編集プロダクションを営み、主な記事はオカルト関連のもの。
そんなある日、弟とふたりで暮らす少女・陽菜と出会うが、彼女はネットで話題の「100%の晴れ女」だった・・・

というところから始まる映画で、夏になっても雨雨雨の今年を言い当てたのかしらん、と思うような設定。

だが、ノッケから、ちょっとゲンナリ。
帆高が陽菜と出逢うまでの物語が長く、その上、帆高の背景もよくわからない。
なんだか理由があって家出してきたようだけれど、経緯もわからず、あまりに無目的的。
もうちょっと下調べぐらいした方がいいんじゃない? と思ってしまう。
さらに、手持ちのお金も尽きて、ネットカフェにすらいられなくなった彼が、偶然に「あるもの」を手に入れてしまうあたりも出来過ぎ。
これが後半の追いつ追われつの伏線になるのだけれども、ご都合主義は否めない。

さらに、弟と暮らす陽菜の背景も書き込みが足らず、「行き場のない若いふたり(弟を含めると三人か)」の設定をつくるだけにしかみえない。
(おっと、ふたりを助ける須賀も、その仕事仲間の若い女性も、行き場がないといえば行き場がないのだが)

というわけで、「天気の子」として陽菜が活躍しだして物語が動き出すまでが、もっさり、まだるっこしい。

陽菜が「天気の子」として活躍しだしてからは物語も動き出すのだけれど、着地点は疑問。
前作と違って、災害が・・・という点ではなく、なんだか、主人公ふたりのエゴ承認欲求があまりに強すぎて、辟易してしまう。
ま、この世で大切なのは、お互いだけ・・・というのはわからなくもないが(主人公たちは、まだ16歳ほどだから)、青春の青さとして片付けてしまうには未熟すぎる。

未熟・・・というのが、どうも、個人的には受け容れられないのかもしれない。

前作は、個人的には「問題作」だったのが、本作は未熟な「凡作」という感じがしてならなかった。

評価は★★★(3つ)です。

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2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:52本
 外国映画44本(うちDVDなど 6本)
 日本映画 8本(うちDVDなど 1本)←カウントアップ

旧作:2019年以前の作品:57本
 外国映画43本(うち劇場鑑賞10本)
 日本映画14本(うち劇場鑑賞 3本)
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この記事へのコメント

2019年08月07日 00:15
私も、えらく利己的だなぁ~、とビックリしました。まあ、若いから、自分の感情を優先させても、仕方ないのかなぁ~、って。
あと、ご指摘の通り、何故帆高が家出したのか、そこまで頑なに帰りたくない理由は何なのか、分かりませんでしたね。
その割には最後にあっさり・・・というのも、ついていけませんでした。
りゃんひさ
2019年08月07日 09:14
トリトンさん

ま、愛するひとを最優先にするという結末は、それほど利己的でもないように思えて、これはこれでありかもしれませんが、「全部自分たちの責任・・・」みたいな考えは、驕慢すぎ、そこいらあたりが特に利己的だと感じました。