『英国スキャンダル ~セックスと陰謀のソープ事件』:根底に流れるのは英国的差別意識 @DVD・レンタル

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スティーヴン・フリアーズ監督の『英国スキャンダル ~セックスと陰謀のソープ事件』、DVDで鑑賞しました。
昨年2018年にBBCで製作された全3回シリーズ、約3時間のテレビドラマです。
主演は、 ヒュー・グラントとベン・ウィショー。
この顔合わせだけで、観たくなるというもの。
さて。

まだ同性愛が違法だった頃の1960年代初めの英国ロンドン。
同性愛者である自由党の有力議員ジェレミー・ソープ(ヒュー・グラント)は休暇で訪れた先の厩舎でひとりの青年ノーマン(ベン・ウィショー)をひとめ見て、惹かれてしまう。
困窮するノーマンを連れ出し、ノースデヴォンの生家で関係をもったソープは、その後、ノーマンをロンドンで囲って関係を続けていたが、いつしか飽きてしまう。
犬コロ同然に放り出されたノーマンは、生きる術として、かつて連れ出された際に紛失した国民カードを作ってくれるようソープに懇願するが、ソープは聞き入れない。
そのうちに、ソープは出世し、自由党党首にまで昇りつめていく・・・

といった物語で、足掛け15年以上にもわたるソープとノーマンの確執の物語。

で、最近目立って多くなってきた「同性愛についての」物語かというと、根底にあるのはそうではないところが、このドラマの興味深いところ。

根底にあるのは、英国人の差別意識。
ソープは野党といえども自由党の議員、下院議員ではあるがエリート意識が高い。
(劇中、母親が「一族で初めて男爵の爵位に手が届きそうね」というあたりが、その微妙なエリート意識が出ている)

そんなソープは、下層階級のノーマンを犬コロ同然(というと犬に失礼だが)に、いや、虫けらと言わんばかりに無慈悲に放り出す。
虫けらに何ができるのか、囲ってやったのだからありがたいだろう、という意識がプンプン。
けれど、ひとつソープが誤ったのは、それまで関係を持った相手は自分と同じぐらいの階級の男たちばかりで、彼らには失うものがあった。
が、ノーマンには何もない。
その上、ノーマンは少し心を病んでいるかもしれない・・・

とうわけで、二進も三進も進退窮まり、遂には殺人事件に発展するのだが、ソープ側は素人。
そうそう上手くいかない。
ここいらあたりはコーエン兄弟の映画のよう。
で、殺人未遂、協同謀議で訴追されるのだが・・・

ということで、結果は「えええ!」
そりゃまあ、物的証拠には欠けるわねぇ・・・

ヒュー・グラントもベン・ウィショーもいささかトウが経っているのは残念。
もう少し艶やかな年齢で、顔合わせしてほしかったです。

評価は★★★☆(3つ半)です。

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