『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』:彼がひとびとを魅了するのは・・・ @DVD・レンタル
昨年末から年頭にかけて公開された『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』、DVDで鑑賞しました。
「愛しき実話」までがタイトルなのね。
謳い文句かと思っていました。
前置きは短く、さて、映画。
北海道札幌市、筋ジストロフィーを患っている30代の鹿野靖明(大泉洋)。
10代前半で発症し、現在動かせるのは首から上と手だけ。
普通ならば、寝たきりになるところだが、周囲のボランティアたちの介助により、車椅子で生活をしている・・・
といったところから始まる物語で、主人公はとにかくよく口が回る。
タイトルのバナナのエピソードは巻頭すぐに描かれているが、このあたりで、かなり不愉快になってくる。
ひょんなことから、新たにボランティアに加わった美咲(高畑充希)がいうように、「アンタ、何様」である。
彼の状況はわかるが、夜更けに、自宅に買い置きのないバナナを食べたいというのは、やはりわがまま。
彼が健常者だったら、一蹴されるのが普通だろう。
「オレのわがままは命がけなんだよ」と彼はいう。
たしかに、そうかもしれない。そうだろう。
でも、好きになれない。
けれど、周囲のボランティアは彼に惹かれている。
美咲も惹かれていく。
なぜだろう。
それは、後半、美咲の恋人の医学生・田中(三浦春馬)にいうように、彼は正直に生きているのだ(24時間だれかの介助を必要とする彼には、何かを隠して生きていくことができないからでもあるが)。
その正直さ、それはときには過度に行き過ぎてしまうが、それが周囲のひとを魅了するのだろう。
だれも、こんなには正直に生きることはできないから。
だから彼が時々発する感謝の言葉が、周囲の人々の心に突き刺さってくるのだろう。
それはよくわかるのだが、やはり、わたしには彼はちょっと無理だわ。
評価は、★★★☆(3つ半)としておきます。
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2019年映画鑑賞記録
新作:2019年度作品:67本
外国映画55本(うちDVDなど 7本)
日本映画12本(うちDVDなど 3本)←カウントアップ
旧作:2019年以前の作品:68本
外国映画49本(うち劇場鑑賞12本)
日本映画19本(うち劇場鑑賞 6本)
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この記事へのコメント
ボランティアに対して、もう少し配慮があってもいいだろ、と思うのですが。
後半で、なぜ親に頼らないのか、彼の真意を知った時には涙が止まりませんでした。
彼の正直さ、ひたむきさも、人としての大きな魅力で、感動的でした。
コメントありがとうございました。
ボランティアの語源は、志願兵なので、死ねといわれれば死ぬひと、の意味です。
でも、いまは、そんなひとはいないので、基本はサポーターです。
サポートするひとと、されるひとは対等でなければならないのですが、そこんところが誤解されているように感じます(この映画云々でなくて)。
何というか、好みでない臭いが・・・・
大泉洋さんが苦手かな~~この方、悪役をやるととても魅力的になるように思います・・・人の二面性を描くというような映画とか。
大泉洋、悪役をやるといいかもしれませんね。
この映画でも、嫌味なところがあるので、二面性があるといえばあるかもしれませんが。