『12か月の未来図』:リアルで軽妙な教育についての映画。日本の未来図かも @DVD・レンタル

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ことし4月に岩波ホールで公開された『12か月の未来図』、DVDで鑑賞しました。
岩波ホールで公開された映画が、こんなに早くDVD化されるなんて、驚きの早さです。
さて、映画。

パリの名門高校で教鞭をとっているベテラン教師のフランソワ・フーコー(ドゥニ・ポダリデス)。
教育省の美人官僚の美貌にくらっとしたためか、「教育格差解消にはベテラン教師の助けが必要」なんて言ったために、自分がパリ郊外の問題中学校に赴任することになってしまった。
期間は1年。
件の中学にきてみると、移民の子どもたちが多く、学校側は事あるごとに諮問委員会を開いて、生徒を退学させている・・・

といったところから始まる物語で、実際の出来事に基づいた物語。

フランスの教育事情を垣間見ることができるが、日本の地方都市でももしかしたら同じような状況になっているかもしれない。
(いや、それより悪くて、海外から来た労働者の子どもたちは、教育を受けていないことも多いと聞く)

物語はこの手の映画ではお決まりのような展開で、勉強に身を入れない子どもたちに対して、何らかの興味を惹くように仕向け、学びの喜びを見出した生徒たちは自主的に勉強をするようになる・・・といったもの。

なので、ありきたりな映画だなぁ、と思うひとも多いのではないかしらん。
ですが、映画はかなり面白い。

フーコー先生の教育方針が、生徒に合わせるではなく、名門高校での方針から変えない。
ここいらあたりが興味深い。
いわゆる堅物の先生なのだが、自分が教える国語、特に小説の面白さについては、生徒にもその面白さがわかるはず、という信念で、長編の『レ・ミゼラブル』をテキストに選ぶ。
そして、小説の入口だけ、本当にちょっとしたところだけを教えて、生徒の興味を惹く・・・といったようなやり方。

なるほど、面白いものは、誰にとっても面白いはず。
そこのところは、外しちゃいけないね。

たくさんいる生徒の名前(移民なので、発音が難しい)を初日に覚えようとするあたりも、微笑ましい。
また、カンニングとまではいかないが、書き取りテストの出題箇所を事前に盗み見する生徒に対しては、お目こぼしをしたり。

映画は次第に3人ばかりの少年少女とフーコー先生との交流に絞られていくが、その経緯もスムーズ。

監督のオリヴィエ・アヤシュ=ヴィダルが実際に取材した生徒たちが出演しているのだが、彼らの演技も自然。
ま、ちょっと中学生にしては歳いっているな、とは思ったけれど。

お堅い教育映画のような体裁だけれど、その実、リアルで軽妙な雰囲気もあり、まずますの佳作です。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:81本
 外国映画63本(うちDVDなど11本)←カウントアップ
 日本映画18本(うちDVDなど 4本)

旧作:2019年以前の作品:76本
 外国映画51本(うち劇場鑑賞13本)
 日本映画25本(うち劇場鑑賞10本)
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この記事へのコメント

2019年10月24日 23:29
リアリティに溢れ、切実な問題を取り上げながらも、微笑ましくて楽しい作品でしたね。
対問題児、だけじゃなく、どうせ1年間だけでしょー、という先生たちとの対峙もありながら。
次第に距離を縮めていく過程が、良かったです。
りゃんひさ
2019年10月24日 23:41
トリトンさん

コメントありがとうございました。
なかなか、リアリティに溢れながらも、重くならない作品を作るのは難しく、フランス映画ならでは、という感じで好ましい映画でした。