『影踏み』:ドストエフスキー的運命論のような衝撃作 @ロードショウ・シネコン

影踏み.jpg

篠原哲雄監督、山崎まさよし主演の『影踏み』、ロードショウで鑑賞しました。
原作は『64 ロクヨン』『臨場』『クライマーズ・ハイ』など映画化作品も多い横山秀夫の連作ミステリーだが、未読。
さて、映画。

痕跡を残さないベテラン忍び込み窃盗・真壁修一(山崎まさよし)。
ある日侵入した地方議員稲村家で、妻・葉子(中村ゆり)による自宅放火の現場に出くわしてしまう。
放火は直前で食い止めたが、まもなく駆けつけた警察官によって修一は逮捕されてしまう。
逮捕したのは彼の幼馴染の吉川聡介(竹原ピストル)。
それから2年。
出所した修一は聡介のもとに挨拶に訪れるが、聡介はその夜、何者かによって殺されてしまう・・・

といったところから始まる物語は、犯罪ミステリーのはじまりとしては定石ともいえる。

聡介の死を解明しようと修一は周辺に探りを入れるが、どうやら2年前の逮捕の際の放火未遂事件の妻・葉子が関係している・・・

長々とあらすじを書いても仕方がないのだが、定番の犯罪ミステリーだと思って観ているとさにあらず、先に書いた事件は中盤あたりで真犯人は明らかになる。
というか、事件の絵姿は前半あたりであっさりわかってしまうのだ(とはいっても、当然のことながら、真犯人はわからないが)。

でビックリ仰天なのは、タイトル『影踏み』が指す「影」の意味。
これは、本当にびっくりだ(とはいっても、はははーん、と途中で気づくが)。

この第一の驚きがあって、聡介殺しの意外性があって、これで事件解決、映画はオシマイ・・・ということにはならず、さらにもう一つのビックリがある。
第一のビックリの延長線上といってもいいが、普通、こんなミステリーは小説でも映画でもあり得ない。
いつものりゃんひさだったら、噴飯もの(そんなアホなと笑い出す)か、憤激もの(観客を舐めてんのかと怒り出す)かのどちらか。

なのだが、なぜか、このふたつのビックリがベテラン篠原哲雄監督の手腕によって、まるで別物に昇華していく。

大げさになるかもしれないが、ドストエフスキー的な運命論、遺伝子の二重らせんの運命論的な様相となってくるのだ。
ホンマか? ホンマです。嘘やないです。信じてください。
運命からは逃れられへんのです・・・いやいや、逃れられへん運命なんてないんです・・・

と、いきなり大阪弁になるぐらいの衝撃作。

ネタバレしないように注意したけれども、これはこれで結構なネタバレでしょうねぇ。

評価は大奮発の、★★★★☆(4つ半)としておきます。

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2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:96本
 外国映画72本(うちDVDなど16本)
 日本映画24本(うちDVDなど 7本)←カウントアップ

旧作:2019年以前の作品:78本
 外国映画53本(うち劇場鑑賞14本)
 日本映画25本(うち劇場鑑賞10本)
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この記事へのコメント

2019年11月21日 20:33
お、評価が高いですね!
運命論ですか、なるほど。
その運命に翻弄されるのも、過去のトラウマゆえか。
原作は読んでいませんが、きっと面白いんでしょうね。
りゃんひさ
2019年11月21日 23:10
トリトンさん

大奮発の高評価です。
原作は連作らしいので、もしかしたら全然話が違っていたりして。