『半世界』:あちらも世界、こちらの世間も世界 @DVD・レンタル

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阪本順治監督最新作『半世界』、DVDで鑑賞しました。
同監督の作品はここのところは飛び飛びでの鑑賞で、『団地』『北のカナリアたち』『大鹿村騒動記』は観ているが、『エルネスト』『人類資金』は観ていません。
さて、映画。

伊勢湾に面した、海も近い山間の小さな町で暮らす紘(稲垣吾郎)。
妻の初乃(池脇千鶴)と中学生の息子・明との三人暮らし。
亡き父が行っていた炭焼きを継いで生計を立てている。
そんなある日、幼馴染の瑛介(長谷川博己)が自衛隊を辞め、故郷に戻ってくる。
紘と瑛介と光彦(渋川清彦)はいつも仲が良かった間柄だった・・・

といったところから始まる物語で、阪本順治監督作品の中では群を抜いて地味で身近な世界を描いている。

紘と亡き父の確執を物語の背景に置き、紘と息子の関係を中心に据えている。
小さな世界を描きながら、瑛介が海外で経験してきた日本とはまったく異なる世界のあり方などが感じられるような、奥深いスケールも感じさせる。
(タイトルの「半世界」は、瑛介が経験してきた世界と、紘と光彦が暮らしている世間という世界の、それぞれがあって全世界になるという意味で使われている)

明をイジメている同級生のリーダが、実は前の学校ではイジメられていたなどのエピソードや、紘が行う炭焼き作業の描写など感心させられるところも多いが、光彦の姉の結婚話などコミックリリーフというよりもあざとい笑いを誘うシーンもあって、そこいらあたりが惜しい感じがする。
また、紘があっさり死んでしまうというのは、作劇的にはどうなんでしょうか・・・
一方の世間という世界を担うのが光彦になっちゃうような気がするのだが、これはこれであり、なのかも。

とはいえ、個人的は、結構好きな部類の映画でした。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:92本
 外国映画70本(うちDVDなど14本)
 日本映画22本(うちDVDなど 6本)←カウントアップ

旧作:2019年以前の作品:78本
 外国映画53本(うち劇場鑑賞14本)
 日本映画25本(うち劇場鑑賞10本)
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この記事へのコメント

2019年11月15日 20:03
田舎の地元に留まったまま、狭いコミュニティの中で生きてきた紘と対照的に、世界に飛び出し、広く現状を見てきた瑛介との対比が見事でした。
後半であっさり・・・というのは、私も驚きましたが、だからこそいつ何が起きるか分からないのが人生なので、後悔しないように生きることが大切なのかと。
地味ながら、この歳になると色々沁みるお話でしたわ。(笑)
りゃんひさ
2019年11月15日 22:54
トリトンさん

後悔しないように日々生きていますが、いろいろ書き散らかして恥はかいているかも・・・
そうだ! 恥はかいても、後悔しないように生きればよいのか!