『ほしのこえ』『言の葉の庭』ほか: 新海誠監督の「雨」と「届かぬ想い」 @DVD・レンタル

新海誠監督の中編アニメをDVDで鑑賞。
『ラストレター』の謳い文句に「岩井俊二監督ほどロマンチックな監督は、ぼくは知らない-新海誠」とあったことから、つながり鑑賞とでも言いましょうか。
まずは

ほしのこえ.jpg

ほしのこえ』 2002年製作の25分の作品。新海監督がPC1台で製作した自主製作作品。

2047年、異生命体・タルシアン攻撃された地球。
中学3年生の美加子と昇、同級生で互いに携帯電話でメールのやり取りをする仲だ。
そんなある日、美加子はタルシアン攻撃の国連宇宙軍に選抜され、宇宙の彼方で戦うことになった。
互いにメールのやり取りにかかる時間は、1年、8年と延びてゆく・・・

という物語で、新海ワールドの根幹である「届かぬ想い」が主題。

雨が降る地球と、学生服姿のまま戦闘ロボットを操縦して戦う宇宙とのギャップがすごく、『君の名は。』『天気の子』と根本的には変わっていない。
光の表現も、この頃から素晴らしく傑出している。
学生服のままでの戦闘、というのは後の多くの作品に影響を与えていると思います。

評価は★★★(3つ)としておきます。

彼女と彼女の猫.jpg

彼女と彼女の猫』 『ほしのこえ』に同時収録されていた1999年製作の5分の短編アニメ。

飼い猫の視点からひとり暮らしの若い女性の日常を描いたもので、猫のモノローグを通して、女性の抱える漠然としたものが描かれています。
猫の表情が単純化されていて、アニメ表現としては、後の作品にはみられない手法で興味深い。
猫の声は新海監督自身のもの。
全体をモノトーンで描いていて、雰囲気もよい。

評価は★★★(3つ)としておきます。

言の葉の庭.jpg

言の葉の庭』 『君の名は。』のひとつ前の監督作品で、2013年製作の45分作品。

雨の日には学校をさぼり、都心の大きな日本庭園で靴のデザイン画を描いている高校生のタカオ。
彼は靴職人を目指している。
ある梅雨の日、庭園の四阿(あずまや)で、ひとりの若い女性で出逢う。
彼女はチョコレートをかじりながら缶ビールを飲んでいた。
その後も雨の日に限って、ふたりは出逢うようになる・・・

という物語で、人物の造形や背景の細やかさなどは初期作品と比べて格段に進歩している。
また、突飛な設定もなく、日常の中の非日常といったレベルで好もしい。

女性の素性がわかる中盤以降は、よくある展開と言えばいえるが、雨の吹き込むマンションの外階段での心情吐露のシーンはストレートであるが故に心に響くものがある。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 8本
 外国映画 5本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 3本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 5本
 外国映画 2本(うち劇場鑑賞 1本)
 日本映画 3本(うち劇場鑑賞 0本)←カウントアップ
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2020年03月03日 16:50
この作品はこじんまりした良い作品だと思います。突拍子もない設定もないですしね。
でも一連の新海監督作品に流れる、「男女の届きそうで届かない想い」もずっとみていると飽きますね。気持ちはわかるのですが、そのテーマが深まるでもなく、変化するわけでもなくとなると、観ている方としては、もういいかと思ってしまいます。
りゃんひさ
2020年03月03日 23:02
ぷ~太郎さん

同じテーマを繰り返して描くのはいいのでしょうが、深まるでもなく、変化するわけでもなく・・・というのは監督としては致命的かも。