『ベルリン、アイラブユー』 :アイラブユーではないだろうね @DVD

ベルリン、アイラブユー.jpg

ことし2月にリリースされた『ベルリン、アイラブユー』、DVDで鑑賞しました。
2008年製作の『ニューヨーク、アイラブユー』から続く、コンセプチュアル・シリーズ『シティーズ・オブ・ラブ』」の第4弾。
その後、パリ、リオデジャネイロときて、今回はベルリン。
さて、映画。

ベルリンの移民シェルターに勤務するジェーン(キーラ・ナイトレイ)。
保護しているアラブ人少年の弟が入院し、片親の母親が弟の付添をせねばならず、少年はシェルターにいられなくなる。
一晩限りということで、母親(ヘレン・ミレン)を説得して少年を預かることにしたが・・・。

同じころ、イスラエルからやって来たユダヤ人のストリートミュージシャンのサラは、ひょんなことから天使の羽を付けたドイツ人青年ダミエルと知り合うことになる・・・

もう若くないアメリカ人ジム(ミッキー・ローク)は、バーで知り合った若い女性に声をかけ、幼い頃に別れた娘の話をして、彼女をホテルの一室に誘うが、彼女は件の娘だった・・・

ランドリーハウスを経営する女性のもと、一人のドレス姿の女性が逃げ込んでくるが、彼女は悪徳カメラマンに騙されて、ポルノ写真を撮られようとしていた女性だった。
その後、タキシードの下のワイシャツを汚されたといってやって来た中年男性は、セクハラで悪名高い映画プロデューサーだった・・・

中東から移民してきた中年男性は、ネオナチの若者に暮らしているあばら家を襲撃され、怒りに任せて、そのうちのひとりを刺してしまい逃げているが、逃げ込んだ先も中東からの移民女性たちが働く娼館だった・・・

今日が誕生日という16歳の少年。別居している父親を川岸で待っていたが父親は来ず。
かわりに、どこともなく現れたのは、白いドレス姿の女装男性。
少年は、彼と話しているうちに意気投合し、誕生日プレゼントとして、キスをねだる・・・

米国大使館前から茶封筒を抱えた男性を乗せたトルコ出身の女性タクシードライバー。
乗客の命じる場所にタクシーを走らせるが、そこでは別の米国人らしき男性が黒ずくめ男に拉致されるのを目撃する・・・

といったように、いくつかの物語が描かれる群像劇。
エピソードごとに、脚本家も監督も別なので、正しくはオムニバス映画なのだけれど、プロデューサー権限によってクロスカッティングされているので、純然たるオムニバス映画とはいいがたい。

で、注目すべきはタイトルにあるとおり「I LOVE YOU」であって、「Ich Liebe Dich」ではないところ。

ながながとストーリーを書いたのにも訳あって、純然たるドイツ人(なにが純然かは別として)というのは、ほとんど出てこない。
多くは、中東からの移民で、ここに現在のドイツ・ベルリンの実相が現れている。

2話目のイスラエルからユダヤ人女性とドイツ人青年が自動車を走らせる際に、「この道路の下がベルリンの壁だ」というように、東西の対立は今や地中の埋もれている。
かわって現れたのが、移民問題。

といわけで、ニューヨーク篇、パリ篇では「アイラブユー」や「ジュテーム」などの愛の言葉が中心となるラブロマンス映画だったが、本作は恋愛の側面ははなはだ陰に隠れてしまっている。
どちらかといえば、『ベルリン、グーテンモルゲン(ま、ドイツ語はわからないけど)』といったところでしょうか。

評価は★★★(3つ)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 30本
 外国映画22本(うちDVDなど 2本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 28本
 外国映画15本(うち劇場鑑賞 2本)
 日本映画13本(うち劇場鑑賞 0本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2020年04月04日 17:27
私もDVDで鑑賞しました。てっきり恋愛映画のオムニバスだと思い込んでいたのですが、もっと重い内容でしたね。ベルリンがこんなに移民が多いとは!確かに数何前、ドイツは移民を積極的に受け入れていたことを思い出しましたが、その結果がこれだとは!
難しい問題で解決策が簡単に見いだされるとは思いませんが、一人一人に「愛」があってほしいという意味を込めての「ベルリン、アイラブユー」ですね。
りゃんひさ
2020年04月04日 21:22
ぷ~太郎さん

なるほど
>一人一人に「愛」があってほしいという意味を込めての「ベルリン、アイラブユー」ですね。
というのは納得です。