『西部戦線異状なし』 (1930) :古さは感じるものの新作戦争映画よりも共感を覚えた @DVD

西部戦線異状なし.jpg

1930年製作のアメリカ映画『西部戦線異状なし』、買い置きの廉価版DVDで鑑賞しました。
80年代半ばにユニバーサル映画創立何十周年かの特集上映でも観ていますが、今回観たのは先に『1917 命をかけた伝令』を観たので。
同じ第一次世界大戦を扱った映画。
90年前はどのように描かれていたのか・・・が改めて気になった次第です。
さて、映画。

1914~5年頃の欧州大戦が激化し始めたドイツのある町。
窓外をドイツの大部隊が行進していく学校の教室では、老教師が生徒たちに「国のために戦おう」と学生たちを鼓舞している。
教室中の学生たちはこぞって志願兵となり・・・

といったところからはじまる物語は、エリッヒ・マリア・レマルクの同名小説の映画化。

新兵訓練を受け戦地に赴く構成は、後のスタンリー・キューブリック監督作品『フルメタル・ジャケット』とそっくり。

前半の若き兵士たちはほとんど有象無象のような扱いなので、誰が主人公かがわかりづらい。
前線の塹壕戦で傷ついた戦友を見舞うあたりで、若き兵士のひとりポール(リュー・エアーズ)に焦点が当てられ、彼が後半の物語の中心となることがわかる。
また、この負傷兵は脚を切断されることとなり、彼が履いていた祖父譲りの自慢の長靴が順々に兵士のもとを巡っていくあたり(つまり、先に長靴を手に入れた兵士は戦死するということ)、時間の経過と戦闘の激しさを簡潔に描いていて、このような演出は最近では(といっても、もう10年以上になるかも)見られない演出。

戦闘シーンの激しさは驚くほどで、かなりの物量・人員を動員しての撮影。
また、泥地を飛び越えていく兵士を仰角で撮るなどのメリハリも効いている。

戦闘は数年つづき、当初、何人もいた若き兵士たちは死に絶え、遺されたのはポールのみ。
中隊も当初からの生き残りはふたりの古参兵のみとなってしまう。

終盤、束の間の休暇を得たポールは生まれ故郷の町に帰還するのだが、戦場に出ない年配者(ポールの父も含めて)は、前線では厭戦気分が漂っているにもかかわらず、パリに侵攻だ、などと無責任に煽り立てるあたりは、現代の戦争下での銃後の状況とさして変わらず、空恐ろしい(いまもどこかで戦闘が起こっていることは忘れてはいけない)。

再び戦場に戻ったポールが、銃声のしばし止んだ戦場で、塹壕の隙間から戦場に落ちたヘルメットにとまる蝶をみて気を許したとき、敵兵から撃たれてしまうのを銃声のみで示すラストも直接描写でない分、いっそうの空虚さ・寂寥感を感じてしまいます。

1930年という古さは感じるものの(特に、ステージセットでの撮影は古臭く感じます)、新作戦争映画よりは好感も共感を覚えました。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 23本
 外国映画15本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 17本
 外国映画 9本(うち劇場鑑賞 1本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場鑑賞 0本)
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