『マーウェン』 :ゼメキスの遊びの部分とシリアスな部分のバランスが上手くいった感じ @DVD

マーウェン.jpg

昨夏にロードショウされた『マーウェン』、DVDで鑑賞しました。
監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『フォレスト・ガンプ 一期一会』のロバート・ゼメキス
単館系を中心に公開されたのかしらん、ロードショウされたことは知らず、今回のDVDリリースではじめて知りました。
さて、映画。

第二次大戦下の架空の村マーウェンを舞台にして、ミニチュアで架空の物語を写真に収め続けているマーク・ホーガンキャンプ(スティーヴ・カレル)。
彼が現在のような行動をしているのには理由があった。
それは、かつて、バーで酒を飲み、酔っ払った際に、5人の若者に言いがかりをつけられれて袋叩きにされたことで、過去の記憶をなくしてしまった、ということ・・・

といったところからはじまる物語で、マーウェンの村の登場人物は、自分の分身である連合国軍大尉のホーギーと、マークと関わりのある女性たちをモデルにした女性たちと、ナチスの悪党5人・・・と、記憶はないものの自分自身に関係のある人たちばかりで、ミニチュアをつかっての物語はマークが心の傷を癒すのに無意識に行っていることだということがわかってくる。
映画は、そんなマークの空想世界と現実の世界とが交互に描かれていきます。

ロバート・ゼメキス監督作品を観るのは久しぶりだなぁ、と思い調べてみたところ、2000年製作のトム・ハンクス主演『キャスト・アウェイ』以来。
そういえば、その後のゼメキスが監督した『ポーラー・エクスプレス』や『ベオウルフ 呪われし勇者』など、生身の俳優をモーション・キャプチャでアニメ化した作品ばかりだったので、観る気が失せていたわけでした。
最近は『ザ・ウォーク』『マリアンヌ』など生身の俳優を使った実写映画が多いのだけれど、それでも、一時期の嫌な感というのは抜けきっていなかった。

で、本作、観ようと思ったのは主演のスティーヴ・カレル。
もともとはコメディアンだけれども『フォックスキャッチャー』『ビューティフル・ボーイ』などシリアスな映画でも抜群に上手い。
本作でも上手い。
やりすぎ感もなく、適度な笑いを引き出し、切なさも感じさせます。
それに、モーション・キャプチャでフィギュア人形にされちゃうわけだから、通常の演技派だったら敬遠するような役どころかもしれない。

そして、物語では、袋叩きにされた原因が徐々にわかるわけだけれど、軽度のトランスヴェスティズム(異性装障害)、ハイヒールの着用が旧弊な田舎町の男どもには癇に障ったということがわかってくる。
(ま、マーウェンのホーギー大尉は序盤からハイヒールを履いちゃうのだけど)。

そこいらあたりも痛々しいが、5人の加害者に対する判決法廷(執行する刑の内容を確定するための法廷)でみせるマークの寛容的態度も立派。
そこに至るまでの葛藤もフィギュアが繰り広げる物語で上手く描いており、加害者5人にはより重い刑が科せられるべきだとは思いつつも・・・というあたりが映画に深みを与えている。

ゼメキスによる、フィギュア世界の遊びの部分と、実話に基づいた生身の部分とのバランスがよく、なかなかの秀作でした。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

<追記>
機会があれば、生身の役者オンリーの『ザ・ウォーク』『マリアンヌ』あたりも観てみましょうか。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 25本
 外国映画17本(うちDVDなど 1本)
 日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 20本
 外国映画12本(うち劇場鑑賞 2本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場鑑賞 0本)
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この記事へのコメント

2020年03月19日 18:38
今作、劇場観賞したのですが、あまりにつまらなくて乗れなかったです。
スティーヴ・カレルは良かったですが、いいおっさんがフィギュアに夢中になり、ただの変態かイタイ奴にしか見えなかった。(笑)
りゃんひさ
2020年03月20日 00:43
トリトンさん

彼はイタイ奴ではなく、痛かったひとでは・・・
ぷ~太郎
2020年03月24日 14:20
この作品は劇場ではなく、DVD鑑賞がお薦めですね。大画面でスティーヴ・カレルの顔やフィギュア人形を見せられてもげんなりするだけですから。確かに演技はうまいですが、どうも私はイマイチでして・・・。
りゃんひさ
2020年03月24日 22:05
ぷ~太郎さん

あ、げんなりする人も結構いるようですね、やはり。