『いのちの紐』 :いのちの紐が途切れるとき・・・ @DVD

いのちの紐.jpg

TSUTAYAの発掘良品シリーズから『いのちの紐』、DVDで鑑賞しました。
名匠シドニー・ポラック監督の劇場用映画デビュー作。
かつて浜村淳がラジオど幾たびか、この映画のことをしゃべっていて、観たいなぁと思っていた作品です。
さて、映画。

米国シアトル、初夏の夕暮れ。
カメラはシアトルの街を空撮でとらえ、人工池に囲まれた近代的なビルを映し出す。
ひとり思いつめたように水辺に立つ女性(アン・バンクロフト)。
ところ変わって、市立自殺防止協会「いのちの電話」の事務所。
24時間、電話が受けられるようにと、その日の当直は黒人の法学部学生(シドニー・ポワチエ)。
はじめに掛かってきた電話は、理容業者の中年男性。
世の生きづらさを嘆くだけの電話だが、延々と男性の愚痴は続く。
そんな最中に、ひとりの女性から電話がかかって来た。
電話口の向こうで、「さきほど、睡眠薬を数種類、多量に服んだ・・・」という・・・

といったところからはじまる物語で、電話口で説得する黒人学生と、電話の向こうの女性の様子をカットバックで描いていきます。

これを、黒人学生だけの視点、事務所の中だけで描くと、最近流行のワンシチュエーション映画となるのだけれど、1965年製作とあって、そういう風にはなりません。
電話口の女性が語るはなしが、回想風に女性の視点で描かれます。

このカットバック手法は、サスペンスを盛り上げるだけでなく、女性の心情や行動を丹念に描くという方向に機能しており、そういう意味で社会派映画の観点も感じられます。

電話を切らせず、どこから掛けてきたのかを逆探知する様子も、これもまたカットバックで描かれますが、電話交換手がいた時代なので、とにかく電話交換機の装置そのものが巨大で、また無数の電話線で結ばれており、それを物理的&電気的に捜索する描写は、いまとなって物珍しいものとなっています。

また、映画はリアルタイムものでもあり、女性が服んだ睡眠薬の量からすると1時間ほどしか余裕はなく、映画の進行時間と実際の時間とがシンクロしています。
『真昼の決闘』などでも用いられている手法ですが、テレビドラマ出身のシドニー・ポラックとしては、このリアルタイムものには自信があったかもしれません。

さて、結果どうなるのか・・・

幕切れの描写も簡潔で、心憎い脚本です。
ひとつネタばらしすると、黒人学生と電話口の女性は最初から最後まで顔を合わすことがありません。

脚本はスターリング・シリファント
後に、『夜の大捜査線』(1967)、『まごころを君に』 (1968)、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)、『タワーリング・インフェルノ』(1974)などの名作を手掛けています。
なかには『スウォーム』(1978)などもありますが、わたしなどの年代の映画ファンにはお馴染みの脚本家です。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 33本
 外国映画25本(うちDVDなど 4本)
 日本映画 8本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 38本
 外国映画21本(うち劇場鑑賞 2本)←カウントアップ
 日本映画17本(うち劇場鑑賞 0本)
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