『夢と狂気の王国』:ジブリの秘密には迫らないが、悪くないドキュメンタリー @DVD

夢と狂気の王国.jpg

コロナ禍の影響で、スタジオジブリの旧作アニメーション4本が劇場に登場。
正確には『風の谷のナウシカ』はスタジオジブリではないのだけれど。
そういうわけで(もないが)、宮崎駿監督を中心に撮ったドキュメンタリー映画『夢と狂気の王国』、DVDで鑑賞しました。
さて、映画。

2013年、スタジオジブリは2本の新作アニメーションを製作していた。
1本は宮崎駿監督『風立ちぬ』、もう1本は高畑勲監督『かぐや姫の物語』。
後者は製作が遅れており、当初の同時公開は無理となった。
そんな中、ドキュメンタリー映画『エンディングノート』を撮った女性監督・砂田麻美がスタジオを訪れ、宮崎駿監督の製作の様子に密着する・・・

といったところからはじまる映画で、被写体の中心は宮崎駿監督、それとプロデューサーの鈴木敏夫。
もうひとりのジブリの中心人物・高畑勲監督は、製作が遅れていて、かつスタジオが別ということもあり、ほとんど登場しない。

宮崎駿監督『風立ちぬ』の製作風景を追ったドキュメンタリーは、テレビでも作られており、『ゲド戦記』のときもバックステージを追ったドキュメンタリーもあったので、そういう意味ではあまり珍しくない。

砂田監督は、年代的には宮崎監督の子ども世代よりも下、孫世代よりは少々上に当たるような世代で、そのせいか宮崎監督が他のドキュメンタリー映像でみるよりは優しく接しているように感じます。

特筆しておくエピソードとしては、宮崎監督の口から、戦時中の父親の話が出たこと。

空襲の際のことで、周囲は焼けてしまったが、焼け残った宮崎家の玄関に見知らぬ子どもがいた。
戦時下なので、世の中はギスギスしており、普通なら追い出すところだが、宮崎監督の父親は追い出すどころか、ポケットに隠し持っていたチョコレートをその子どもにあげたという。

『風立ちぬ』のシベリアを思い出させるエピソードだが、これに続く宮崎監督の話が面白い。
「父親はチョコレートとかの甘いものに目がない方なので、隠し持っていたのだろうけど、それにしても、自分は一度ももらった記憶がないんだよ」と。

好々爺がする昔話である。

また、宮崎監督はシナリオを書かず、絵コンテだけで物語を作り上げていくのは有名な話だが、『風立ちぬ』のラスト、まるっきり方向転換するのが台詞の書き直しとして画面に登場するのが衝撃的である。
物語は動き出した後、どこに決着するかはわからない。
作家が書く小説でも、監督がつくる映画でも、それは同じ。
改めて、そう感じました。

ラスト、宮崎監督、鈴木プロデューサー、高畑監督とスタジオの屋上に三人が集って談笑するが、内容はわからない。
ただし、その姿、様子は、やはり至福の時という感じがしました。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

<追記>
『風立ちぬ』の主役の声をあてた庵野秀明監督、悪くないと思うけれどね。

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2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 43本
 外国映画34本(うちDVDなど10本)
 日本映画 9本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 56本
 外国映画35本(うち劇場鑑賞 2本)
 日本映画21本(うち劇場鑑賞 0本)←カウントアップ
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2020年06月27日 23:35
今思うといい時代でしたよね、あの三人が揃っていたのですから。次はどんな作品なんだろうとワクワクしていた頃。
今もいろいろなアニメ監督がでてきて夢を与えてくれますが、やはりジブリにはかなわないかな。
また過去のジブリ作品が公開されるので楽しみにしています。
りゃんひさ
2020年06月28日 15:22
>ぷ~太郎さん

あの三人が揃っていたのはキセキですね。
2020年06月29日 13:52
あ~、これ劇場観賞したなぁ。
スタッフも、当の本人たちも、かなりズケズケと言いたい事言ってて、驚いた記憶が。
それだけ信頼関係があるのでしょうが、ここまで言って大丈夫?と思うほどでした。
りゃんひさ
2020年07月03日 17:03
>トリトンさん

コメントありがとうございます。いま、ジブリ作品が劇場で再上映中です。改めて、鑑賞したいものです。