『ランボー ラスト・ブラッド』:病んだランボーが体現する戦争の真実 @ロードショウ

ランボー・ラストブラッド.jpg

1982年に第1作が製作された『ランボー』も遂に最終作品が登場、『ランボー ラスト・ブラッド』、ロードショウで鑑賞しました。
前作は2008年製作の第4作『ランボー 最後の戦場』。
「最後の」と付けたのは日本配給だけで、原題は「RAMBO」と主人公の名前だけ。
今回は「RAMBO: LAST BLOOD」と第1作のタイトル「FIRST BLOOD」と呼応しています。
さて、映画。

ミャンマーから帰還して10年の元グリーンベレー、ジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)。
故郷アリゾナで古くからの友人のマリアとその孫娘ガブリエラ(イヴェット・モンレアル)と細々と牧場を営んで暮らしていた。
ある日、ガブリエラは、自分と亡き母を棄てた父親がメキシコで暮らしていることを知り、黙って逢いに出かけるが、父親はにべもない。
父の行方を教えてくれた女友達に誘われるまま、バーに行ったガブリエラは、そこで人身売買組織に拉致されてしまう・・・

といったところからはじまる映画で、ランボーがガブリエラを救出する「怒りのメキシコ」編になるのかと思うと、そうはならない。

思い起こすと、第1作でベトナムから帰還したランボーは故郷米国で国を相手に戦いを挑む羽目に陥ったが、その後は、
第2作『怒りの脱出』では再びベトナム、
第3作『怒りのアフガン』ではアフガニスタン、
第4作『最後の戦場』ではミャンマーと、米国を代表するかのように他国にしゃしゃり出て大活躍をしていた。

だから、今度も・・・と思いきや、メキシコではやられっぱなしで、さらに、愛するガブリエラも喪ってしまい、私憤の限りを尽くして、自分のテリトリーを賭けての戦いとなる。
敵陣に乗り込むのではないので、ランボーに有利に運ぶクライマックスの戦闘シーンは、相手からすればどこからランボーが襲ってくるかわからない暗闇での戦い。
これは、ランボーが体験したベトナム戦争の裏返しともいえる。
そして、生身の人間同士の戦いは、戦いではなく殺し合いであり、そこにはもう正義とかいった言葉はない。

このクライマックスの殺し合いのシーンはさすがに楽しめない。
愉しめないように作ってある。
とにかく、生々しい。

第2作目以降、国を背負って戦ったランボーも、最終的には私憤の戦い・殺し合いしかないわけで、そこに戦争、国家の大義の真実のようなものが立ち上がってくる。
そう、結局、戦争は殺し合い。
ランボーは、殺し合いのプロフェッショナルでしかなかったわけだ。
それも、生まれ故郷を地に染め、大地を破壊尽くすしかないような・・・

というわけで、35年以上渡ってスタローンが描き続けたランボーは、娯楽アクションに見えて、その実、痛烈な戦争批判映画のかもしれません。

劇中、薬を服み続け、正常であり続けようとするランボーの姿は、病んだ米国の姿かもしれません。

評価は★★★★(4つ)としておきます。

------------------
2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 47本
 外国映画38本(うちDVDなど10本)←カウントアップ
 日本映画 9本(うちDVDなど 0本)

旧作:2020年以前の作品: 57本
 外国映画36本(うち劇場鑑賞 2本)
 日本映画21本(うち劇場鑑賞 0本)
------------------

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2020年07月12日 11:49
そう~、珍しく、大義の無い個人的な恨みによる戦いでしたね。
ただただ復讐のために殺しまくる、殺し合いの醜さも描いていました。
確かに、戦争批判の側面もあるかも。
りゃんひさ
2020年07月12日 14:35
>トリトンさん

第1作と本作だけを続けてみると、意外にも戦争批判の映画に見えますよ。