『なぜ君は総理大臣になれないのか』:その答えは映画に映し出されているでしょう @ロードショウ

なぜ君は.jpg

6月からロードショウがはじまったドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』、劇場で鑑賞しました。
ドキュメンタリー映画には2種類あると個人的に思っているのですが、ひとつは「ひとを撮る」、もうひとつは「ことを撮る」です。
この映画は前者のタイプ。
さて、映画。

監督の大島新と、被写体の国会議員・小川淳也とは、大島の妻を通じて知り合った。
妻が小川と同級生同士だった。
2003年のこと、まだ総務省の官僚だった小川は、官僚主義に疑問を感じ、政治を変えようとして、国会議員選挙に出馬する。
地盤なし、看板なし、カバンなし・・・それでも国会議員になりたい・なるべき、という信念からだった。
それを面白いと感じた大島がカメラを回し始めることにした・・・

といったところから始まるドキュメンタリーで、17年間にわたっての撮影・取材。

民主党から立候補した小川であったが、選挙区には自民党の有力候補者がおり、2003年は敗退。
2005年の選挙でも、選挙区戦でも敗れるが、比例区での初当選、いわゆる復活当選である・・・

と、映画前半は、小川のまっすぐ感があり、見ていて清々しい感じがする。

しかし・・・である。

2009年、民主党の圧勝、政権交代以降、その清々しさは薄らいでいく。
まっすぐさは変わらない(と本人は言う)のだが、東日本大震災以降、政権運営の拙さが露呈した民主党のなかにあって、組織の論理に巻き込まれざるを得なくなってくると、カメラも通常の議員活動を撮ることなく、ひたすらに選挙戦の様子しか写さなくなってくる。

額に汗し、苦悩に顔がゆがむ小川・・・

小川という「ひとを撮る」ドキュメンタリーの背景たる、日本の政治、その中でも組織体組織、組織対個人の政治体制が大きくなってきて、「ことを撮る」ドキュメンタリーに近づいてしまう。
そのことが、この映画のドキュメンタリーとしての面白さを減じているかもしれません。
被写体としての小川自身もどんどん輝きを失い、ことしに入ってからのオンラインミーティングにおいて、監督から「それでも君は総理大臣になりたいか」と訊かれ、即答できずにへどもど弁明めいたことを口にしてしまう。
人間らしいといえば人間らしいのだが、そこに『なぜ君は総理大臣になれないのか』の答えもあるような気がします。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

------------------
2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 59本
 外国映画47本(うちDVDなど17本)
 日本映画12本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ

旧作:2020年以前の作品: 67本
 外国映画43本(うち劇場鑑賞 4本)
 日本映画24本(うち劇場鑑賞 2本)
------------------

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2020年08月20日 15:34
これは早々にスルー決定、でした。
ああ、やっぱりね、的なこのレビューで、充分でした。(笑)
ぷ~太郎
2020年08月21日 15:42
正直者や真面目な人、いわゆる良い人は政治家にはなれないのです。
政治家は一種独特の人種ですね。ロッキードで悪い印象を残した田中角栄は今思えばそれなりの価値があった政治家でした。トランプもあと何年かしたらそういうふうに思えるのかもしれませんが。
りゃんひさ
2020年08月21日 22:26
>ぷ~太郎さん

トランプ、どういう評価になるでしょうかねぇ。興味津々です。